鍋が恋しくなる季節がやってきた。しかし2026年、食卓に欠かせない白菜やキャベツなど葉物野菜の価格が軒並み跳ね上がり、家計を直撃している。「本当に倍くらい上がってる」と嘆く買い物客の声が聞こえる一方、「九州産がそろえば落ち着くと思う」と先を見据える農家もいる。高騰の背景と、値下がりの見通しを追った。
キャベツ442円、白菜は一玉1400円超え
鹿児島市武一丁目の緒方商店では、キャベツが一玉442円、半分にカットした白菜が723円で販売されている。単純計算すると、白菜一玉は1400円を超える価格だ。

買い物客からは「サラダもなかなかできない」「半分くらいのものを買ったり、物産館とか遠い所まであちこち行っている」という声が上がる。
緒方博行専務は価格高騰の原因をこう説明する。「台風の影響で関東方面、長野方面が長雨が続いたことによって、茨城のキャベツや白菜が全部ダメになっている」。輸送コストや肥料、人件費の上昇も重なり、「全部をひっくるめての原因」だという。

「災害の年」と言ってもいいくらい
2026年は台風・記録的な大雨だけでなく、熊本地震や酷暑が夏野菜の一部にも影響を与えた。緒方専務は「『災害の年』と言ってもいいくらいの今年だった」と振り返る。
同店では、白菜を半分や4分の1にカットして買い求めやすくしたり、県内産の小松菜やちんげん菜など代用できる葉物野菜をすすめたりと工夫を凝らしている。「いいものを安く売りたいと思っているので、お客さんの気持ちと我々の気持ちの融合が一番」と語る。
一方で、高騰していない野菜もある。2025年に値上がりしたタマネギは2026年は安定しており、ジャガイモも100円台で販売されている。献立を工夫することが、今の食卓を乗り切る鍵となりそうだ。
ジャガイモやタマネギの価格は比較的安定している鹿児島・曽於市の白菜畑は「平年並みで順調」
葉物高騰の出口を探るカギとなるのが、県内産野菜の生育状況だ。白菜の産地として知られる鹿児島県曽於市では、30年近く白菜を生産している領家一己さんが今年最初の収穫に向けて畑を管理している。
「平年並みで普通の白菜。畑にもよるが平年と変わらず順調にいっている」と領家さんは話す。収穫開始は約3週間後を予定しており、2027年2月いっぱいまで続く見通しだ。収穫した白菜の約7割は県内向けに出荷される。

価格の見通しについては「九州産が11月からスタートするので、ある程度そろえば落ち着くと思う」と述べる。ただし、桜島の降灰リスクが常につきまとう。「ここは鹿児島なので、降灰が入らないように祈るだけ。今のところ順調」と、楽観と不安が入り混じった表情で畑を見渡した。
地元・九州産の葉物野菜が店頭に安定して並ぶまで、もうしばらくの辛抱が続きそうだ。
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