警察官をかたる「ニセ警察詐欺」の被害が福井県内で相次いでいます。9月末までに38件、被害額は約5億8000万円に上っていて、19日も2件で合わせて約900万円の被害が出るなど10月に入ってからも被害は収まらず、被害額は6億円に迫る勢いです。
今回、福井テレビでは福井県警が実際に録音した偽の警察官とみられる音声を入手しました。相手に事件の容疑者だと伝え「逮捕されてもおかしくない」と不安をあおって信じ込ませていく、その手口を探ります。
◆たまたま福井県警を訪れていた際に詐欺電話が…
<ニセ警察詐欺の実際の音声>
「約400枚ほどのキャッシュカードを押収したのは、福岡県警本部の捜査二課になります」
「捜査員の一番多い東京の警視庁の方に捜査の依頼が来て、いま現在●●さんにご連絡しているんですけども…」
10月上旬、県外に住む男性Aさんが仕事の関係で県警に訪れていた際、携帯電話に突然、見知らぬ番号から着信がありました。
電話に出ると、警視庁の捜査二課を名乗る男が話をしてきました。
男性はすぐに詐欺の電話だと気づき、その場にいた警察官に相談しました。
福井県警生活安全企画課・島崎智恵課長補佐:
「男性にご協力をいただいて、どういった話を相手がしてくるのかを見るのに、だまされたフリをしながら録音をしました」
◆“身の潔白”証明するには…遠方の警察署への来庁を持ち掛ける
実際のやり取りは―
犯人1:「●●さんがお持ちであるキャッシュカードが不正利用されているかというのは、正直分からないですけども、実際の方針として福岡県警本部では、●●さんの名義の物があるというのは分かりました」
Aさん:「はい、分かりました」
犯人1:「最悪の場合ですね、逮捕・起訴されてもおかしくないことは十分あり得るお話になっております」
Aさん:「分かりました」
警視庁捜査二課の警察官を名乗る男はAさんに対し、捜査のため福岡に直接行くよう要求してきました。
Aさんが福岡へ向かうのは難しいと話すと―
犯人1:「●●さんは実際に足を運んで身の潔白を証明したいと思うのですが、福岡県警本部の方にお電話で対応できるかどうか頼んで、許可が出た場合はしっかりと対応の方はできますか?」
来庁するのではなく、電話での対応を提案してきました。
◆「犯罪の疑いがある」と警察官が電話することはない
Aさんが了承すると、電話からは保留の音楽が流れ、別の人物が電話口に出ました。
犯人2:「転送を受けました、福岡県警捜査二課のヨコタと申します」
福岡県警捜査二課のヨコタと名乗る男が電話に。そして改めて福岡に来るよう話を進めてきました。
犯人2:「今回、20日間勾留をさせていただいて取り調べを受けていただくんですけども、できないということは遠方で仕事で来られないということで間違いないですかね?」
Aさん:「そうですね。それ逮捕じゃなくて任意ですか?」
犯人2:「強制力はないです」
Aさん:「20日間の勾留が決まってるんだったら何かしらの証拠ってお持ちじゃないですか?」
犯人2:「何かしらの証拠はこちらで押さえているんですけども100%じゃないというわけですね。あなたが逃亡の恐れがあるかないか。または逃亡をね、秘密漏えいの話もあるんですけど、事件の状況や捜査の内容をおうかがいして…」
その後、進展がないと判断した福井県警の警察官が登場し話に入ると―
福井県警の警察官:「捜査二課のヨコタさん?そんな人いないけど福岡県警には」
犯人2:「そんなこと言われましても。確認させてもらってもよろしいですかね?」
福井県警の警察官:「確認してよ」
犯人2:「福岡県警の方に電話していただいて、ヨコタケンスケという者がいるかどうか本人で確認してください」
こう言うと、犯人は電話を切りました。
今回、着信があった電話番号は国際電話の番号ではなく、090から始まる、ごく一般的な番号でした。
県警は詐欺の手口を広く知ってもらおうと今回、音声を提供してくれました。
県警生活安全企画課・島崎智恵課長補佐:
「そもそも警察官は電話で犯罪の疑いがかかっていると言うことは絶対にない。 警察を名乗るものから電話がかかってきて、犯罪の嫌疑がかけられた場合には、すぐに電話を切ってください。そのうえ110番通報、もしくは、警察相談ダイヤルへ相談をお願いします」
