千葉県印旛沼の堤防決壊により、ニシキゴイが流失した成田市の養鯉業者を新潟県小千谷市の同業者が支援しました。約320km離れた会社を支援した背景には中越地震の経験がありました。
10月15日午後、小千谷市小栗山にある大家養殖場。
【大家養殖場 片岡太郎 代表】
「救出をした場所、普通だったらいないようなニシキゴイが行っているのは、自然災害の恐ろしさだなと感じた」
こう振り返るのは代表の片岡太郎さんです。
片岡さんが向かったのは千葉県成田市の谷養魚場。
9日9月の台風25号による大雨で印旛沼の堤防が決壊。谷養魚場では水槽周辺が浸水したことにより、約10万匹のニシキゴイが外に逃げてしまいました。
【谷養魚場 谷健治 社長】
「この水槽は全部(水を)かぶったので、中の水槽(のニシキゴイは)全部いなくなった。営業できない。何カ月も続くと思うが、10億円くらいの損失では」
ニシキゴイが逃げて販売できなくなったことや営業が停止していることで、被害総額は10億円ほどに上るといいます。
谷養魚場の谷健治社長と父親の代から付き合いがあり、ニシキゴイの品評会の審査を通じても長年交流してきた片岡さん。
被害を受けた翌日には谷代表に支援を申し出たと言います。
【大家養殖場 片岡太郎 代表】
「ニシキゴイはここ(小千谷市)で生まれた。頑張ってコイを広めてくれている業者さんが大変な目に遭っている。少しでも力になれたら」
その背景には2004年の中越地震の経験がありました。
震度6強を観測した小千谷市。大家養殖場ではニシキゴイがほとんど死に、養鯉池や養殖施設は全壊しました。
【大家養殖場 片岡太郎 代表】
「(中越地震で)そういう苦しい思いをしたからこそ、何かしら自分たちのやれることがあったらやっていきたい」
片岡さんは10月9日、谷養魚場から約2km離れた調整池で、仲間の養鯉業者9人とともに地引き網を使って生き延びていたニシキゴイの救出に取り組みました。
約200匹を引き揚げ、谷養魚場の水槽に戻したということです。
【谷養魚場 谷健治 社長】
「私も新潟は何十回も何百回も行っているから、どのくらい(遠い)距離かも分かる。だから、本当にありがたい」
養鯉業者同士の固い絆の背景には、中越地震の経験から生まれた助け合いの精神がありました。
