11月に漁が解禁される「越前がに」を巡り、越前町のふるさと納税返礼品に不正な表示があったことが問題となっています。福井が誇る一大ブランドへの影響が懸念される中、他の市町の対応と余波を取材しました。
越前町のふるさと納税を巡っては、返礼品の一部に「越前がに」と表示しながら原材料の半分以上に水ガニを使用していたり、ベニズワイガニなどの加工品に「越前」や「越前産」などと「越前がに」を想起させる文言を使用したりしていたことが発覚し、農林水産省が越前町と町内の水産加工会社1社に地理的表示法(GI法)に違反するとして措置命令を出しています。
福井が誇るブランド越前がに。福井テレビの取材では、県内17市町のうち返礼品に越前がにを指定しているのは福井市や坂井市、敦賀市など少なくとも13の市町に上ります。
今回の問題を受け県は9月、これらの市町にカニ関連の返礼品を点検するよう指示しました。
このうち福井市では、中間事業者と連携し、4年ほど前から食品の産地表示などを定期的に確認し厳しく管理しています。市ふるさと納税推進室の笹野知輝室長は「制度の理解を、担当者も含めてしっかりしていたかどうかが問われていると感じている」と話します。
今回の越前町の問題以降、改めて市のふるさと納税の事業者に対し聞き取りや現地確認などを行いました。
返礼品の表記について問題ないかという問い合わせもありましたが、点検した結果、紛らわしい表示はなかったということです。
「今回の(水ガニの)混入のような事がなかったか調査し、すべての事業者においてそいういった事例はなかったことを確認している」(福井市・笹野室長)
越前町は「水ガニも越前がにだと思っていた」と弁明していますが、福井市の笹野室長は水ガニが越前がにではないということについて「分かっていた」と話します。
カニのシーズンはこれから。ふるさと納税の寄付が増える年末にかけて、福井ブランドの返礼品「越前がに」に影響が及ばないか懸念されます。
「影響が出てくるとすれば、やはり解禁された後の11月、12月だと思うが、正直どれくらいの影響かは検討がつかない状況」(福井市・笹野室長)
市は、今年夏頃から返礼品に越前がにが使われている一部のふるさと納税を先行予約していますが、現在のところ問い合わせやキャンセルなど影響はでていないということです。
一方、県が返礼品の点検を指示した結果、鯖江市、越前市、高浜町では「ベニズワイガニ」の返礼品の表記に「越前がに」と誤解させるような「越前産」「越前」という記載があったため、この3つの市町ではこの商品の取り扱いを停止しています。
また、10月からはふるさと納税制度に変更があり、自治体が使える予算が引き下げられたり返礼品と認められる基準が厳しくなったりしています。
2025年度は県内で約200億円の寄付があったふるさと納税。越前がにの不正表示問題や制度改正によって、この金額を維持できるのか、今後の行方が注目されます。
県内の自治体に寄せられたふるさと納税の、2025年度の寄付額を見ると、敦賀市では
越前がにを含む海産物だけで約70億円と全体の8割を占めています。
福井テレビの調べでは、県内全体の200億円の寄付のうち、カニ関連を含む海産物だけで少なくとも80億円以上を占めます。これだけの寄付を集める存在だからこそ、 信頼を失った時の影響も大きいという事になります。
