視聴者の皆さんと防災について考える「みんなと防災」です。五ヶ瀬中等教育学校では、4年前から課外授業の一環で、沿岸地域の津波避難について課題を見つけ出すフィールドワークを行っています。今回のテーマは「夜の避難」です。日南市の高校と合同で行った訓練を通して見えてきたものは、何だったのでしょうか。
2024年8月、日向灘を震源としたマグニチュード7.1の地震が発生。日南市で震度6弱の揺れを観測し、県内で最大50センチの津波も観測しました。
この時、宮崎市青島にいた五ヶ瀬中等教育学校と日南高校の生徒たち。津波を想定したフィールドワークを行っていて、高台に避難する訓練を終えたばかりでした。
(五ヶ瀬中等教育学校・柴田心望さん ※当時)
「すごく慌てたので、日ごろからの準備がとっても大切だなと思いました」
10月4日、日南市大堂津に、五ヶ瀬中等教育学校と日南高校の生徒の姿がありました。2年前の地震の後も、活動内容を引き継ぎながら、津波を想定した避難をテーマにフィールドワークを続けています。
日南市の大堂津地区は沿岸部に住宅が密集し、その裏手には細田川が流れる、海と川に挟まれた地形となっています。この大堂津地区に津波が押し寄せたとき、どう避難すべきか。フィールドワークを通して課題を探ります。
この日は、地域の小学生や高齢者なども参加して、初の試みが行われました。
(五ヶ瀬中等教育学校・上田聖矢 教諭)
「大堂津地区で夜間避難訓練を行ってみたいと思います」
今回のフィールドワークでは、日没後に避難訓練を実施。暗闇の中、大堂津海水浴場から、およそ760メートル離れた、避難場所の大堂津小学校を目指します。
訓練では、走って避難する班や、子ども・高齢者を想定し、歩いて避難する班などに分かれ、それぞれで課題を見つけ出します。フィールドワークで使用するのは、津波避難訓練アプリ「逃げトレ」です。
(九州大学 杉山 高志 准教授 ※「逃げトレ」アプリを開発)
「夜間の避難を行うことによって、日中の避難では見えない、様々なリスクを明らかにするという目的があります」
走って避難した班では、速い人は7分ほどで避難を完了できたものの、走るスピードに差があり、中には、はぐれてしまう人も。
一方、歩いて避難する班は・・
(日南高校・長渡奏奈さん)
「この辺に看板がないのを感じた」
(五ヶ瀬中等教育学校・今村茉椛さん)
「蓄光じゃなくて反射板だから、光を当てないと看板に気づかない。あと道が細くて、人が混んでいたらこけたりもあるのかな。ここ(用水路)危ないですよね。雨が降ったら水位も上がりそうで怖い」
およそ22分で、全員が避難を完了しました。
夜の避難を通して気づいた課題について。
(日南高校・長渡奏奈さん)
「実際は街灯なかったり、家の電気、信号の電気もない状態なので、そこも考えるともっと時間がかかるのかな」
(五ヶ瀬中等教育学校・今村茉椛さん)
「夜間避難訓練の重要性は、再認識できました」
五ヶ瀬中等教育学校では、今回のフィールドワークの結果をまとめ、来年3月に行われる日本地理学会で発表する予定です。
