財政難に直面する北海道・北見市では10月から、45リットルの市の指定ごみ袋が、10枚入り1350円に値上げされました。
値上げ前と比べると1.5倍高くなっています。
今、人口減少や物価高が地方を中心に全国の自治体を直撃しています。
市や町の懐事情に赤信号がともると、私たちの暮らしはどう変わるんでしょうか?
現地を取材しました。
8日に「イット!」が向かったのは、オホーツク海に面する北海道・北見市です。
カーリングが盛んで、市内の名所「サロマ湖」ではサップなどのアクティビティーも楽しめるなど、自然豊かな場所としても知られます。
そんな北見市の住民から聞かれたのは「これはやたら高いな」との声です。
北見市では、これまで45リットルのごみ袋が10枚900円でしたが、10月から1.5倍の1350円に値上げされたのです。
この価格に、市民からは「頻繁には(ごみを)出せないですね。なるべく小さく切って切って、かさを減らして」との声が聞かれました。
値上げの理由について、北見市市民環境部廃棄物対策課の山本裕介課長は「ごみにかかる経費に関して計算したら、1リットルあたり2円だったものが3円になったので上げた」と話します。
物価高などを背景にした今回の値上げ。
その北見市では現在、財政難に直面しています。
北見市は、2006年に周辺の3つの町と合併し現在の形になりました。
北海道で最も広い面積を持つ一方、人口については合併した時と比べ、2万人ほど減少しています。
2026年4月には、上下水道の料金を引き上げ。
北見市内にある噴水などの施設は、2024年の時点で13カ所稼働していましたが、2025年から8カ所の停止を決めました。
さらに「北見市緑のセンター」は、2027年3月末での閉鎖が検討されています。
現在、財政健全化に向けた取り組みを行っている北見市。
自治体の苦しい懐事情によって、市民の暮らしにも影響が出ていました。
北見市 企画財政部財政課 財政健全化担当・金子祐大係長:
社会インフラですとか、公共施設を維持するための経費というのが、いまの状況では歳入に見合わない規模で歳出が出てしまう。まずは(去年から来年まで)3年間かけて事業の構造を見直していくのが重要。
埼玉県でも財政難の影響が暮らしに及んでいます。
飯能市の図書館では人件費削減のため、職員の常駐をやめたことで分室の営業時間に変化が。
富士見地区行政センター・職員:
土日はセンターの職員が不在なので、ご利用はいただけない。
これまで土日でも図書館を利用できていましたが、2026年度から平日のみの利用に。
財政難の要因は、少子高齢化による社会保障費の増加などで、2025年度の支出が収入を上回り、約8億5000万円の赤字となったこと。
このため市では、財政健全化のために市内約200の事業を休止や廃止にすることを決めたのです。
影響は地元の風物詩にも及んでいました。
商店街や自治会が中心となって50年以上行われている「飯能まつり」です。
開催まで1カ月。
関係者を取材すると…。
貮丁目親和会会長・小槻立さん:
市の財政が厳しいという状況で、飯能まつりの予算も半分くらいを市の補助金に頼っていたところがある。補助金が一時はゼロになるという話があって、私も含めて仲間たちの間でどう工面しようかと話した。
運営のための補助金600万円がゼロに。
その後、半分の補助金が支給されることになりましたが、足りない分を補うために個人で行ったというのが…。
貮丁目親和会会長・小槻立さん:
(まつりの)本部でなにかアクション起こすのが時間がなさ過ぎたので、(個人で)クラウドファンディングで皆さんに支援をお願いした。100万円を超えるご支援をいただきまして、目標は達成したので誠にありがたい。(Q.例年と変わらない規模感になる?)細かく見れば、最初縮小の話があったので多少警戒して、おっかなびっくりして削られてくることも出てくると思いますが、「いつもより寂しくなっちゃったね」ということはない。
山崎夕貴キャスター:
北見市の指定ごみ袋が10枚1350円というのは驚きましたが、自治体の懐事情が生活に直結しますよね。
榎並大二郎キャスター:
北見市では、財源確保のために公共施設の削減や保育園の閉園などを進めています。ただ、削るだけじゃなくて新たに“稼ぐ”取り組みも強化しています。2025年からネーミングライツ、いわゆる「命名権」を導入しまして、市の道路や広場、公園など4353カ所で募集を始めています。現時点で45の施設で契約が成立して、年額約2400万円の収入見込みが立っているそうです。契約期間は約5年。年間の契約料は対象によって11万円から550万円だということです。
遠藤玲子キャスター:
各自治体の厳しい懐事情も今回よく分かりましたけども、そこで暮らす皆さんへのしわ寄せが大きくなるのは嫌だなという気持ちもありますね。
榎並大二郎キャスター:
財政を守るというところももちろんですし、市民の皆さんの暮らしを守るための新たな工夫が今、自治体には求められていると感じます。
