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マッチングアプリで“なりすまし” 約400通のわいせつメッセージ…5年半の闘い【佐賀県】

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県内の女性がマッチングアプリで自身になりすました相手を訴えた裁判で、佐賀地裁は今年7月、被告に対し500万円あまりを支払うよう命じる判決を言い渡しました。被害に遭った女性が取材に応じ、「頑張って生きていて良かった」と長く続いた苦しみの日々を振り返りました。

【平尾曜子さん】
「いきなりの大量のメッセージでこれは何だろうと思って、とにかく何が原因で何が起こっているのかも分からなくて手が震えました」

県内に住む平尾曜子さん。
5年前、見知らぬ人物にマッチングアプリでなりすまされ、本人のSNSには、第三者からわいせつな内容など約400通のメッセージが送りつけられました。

【平尾曜子さん】
「家族に何かあったりしないか、あとは元職場も書かれていたので、元職場の方に連絡が行ったりとかもしないかとか、自分のこともですけど、結構周りに何か影響がないかっていうのがすごく怖くなったというか気になりました」

平尾さんは警察や相談窓口などに連絡しましたが明確な回答は得られず。
自ら証拠を集めるなどして最終的に弁護士に相談し、発信者情報開示請求を行うことを決断しました。

【平尾曜子さん】
「開示請求が終わって相手が特定できて、今から数えて15年以上前の元彼の面識のない、彼女だったんですよね」

約2年にわたる情報開示請求の後、裁判に臨んだ平尾さん。
今年7月、佐賀地裁は被告が平尾さんの名誉を棄損したと認め、慰謝料160万円のほか320万円の逸失利益などを合わせ、被告に約530万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。

【平尾曜子さん】
「私の主張が認められた。その内容については、頑張ってきて良かった生きてて良かったと思いました。女性として一番大事な時期だと思ってたので。代償っていうか何というか大きすぎる5年半でした」

【大川内】
平尾さんの裁判の経過をあらためて振り返ります。
被害に遭ったのは、2021年の2月でした。
そこから、投稿者を特定するための「発信者情報開示請求」を弁護士通じて、約2年がかりで進めました。
その後、去年4月に損害賠償を求める裁判を起こし、今年の7月に判決の言い渡しがあり確定。
情報開示請求から約5年半もかかっています。

【森】
情報開示請求という手続きだけで2年もかかっているんですね。

【大川内】
「発信者情報開示請求」では主に2つの手続きを行います。
第一にSNS事業者やサービスの運営企業に対して、投稿者のアドレスなどの開示を求める仮処分という手続き。
第二に通信事業者に対して、投稿した人物の名前や住所などを開示させる手続き。
これら2つの手続きで相手を特定する証拠が出揃うということになります。

【鶴丸】
手続きに長い時間がかかるのは被害者側からしたら精神的にも負担だと思いますが、対策などはあるのでしょうか?

【大川内】
2022年10月に施行された法律では、「発信者情報開示命令」という申し立てができるようになり、裁判所に対して1度手続きを行うことで、裁判所が事業者に対して投稿した人物の情報の開示を命じることができるようになりました。
平尾さんの場合は法施行前だったため手続きを2回行っています。
新しい制度でスピードが上がったのか、専門家に聞きました。

【法律事務所アルシエン 清水陽平弁護士】
「1年弱ぐらいはかかるという印象だったものが、4カ月から7カ月ぐらい。2、3カ月早くなったかな、そういう印象です」

インターネットやSNSの誹謗中傷問題に詳しい清水陽平弁護士は、新制度による開示のスピードが上がった一方、海外のプラットフォームの対応に時間がかかる点など課題も指摘します。
また、実際に誹謗中傷などの被害に遭った場合はどうしたらいいのか。清水弁護士はパソコンのブラウザから証拠を残すことが大切だと言います。

【法律事務所アルシエン 清水陽平弁護士】
「スクリーンショットだと実際使えないというわけではないんですけれども、多くの方ともアプリにいるわけなんですね。アプリだとURLがわからないという問題があったりするわけです。できるだけスマートフォンではなくて、PCパソコンからブラウザで見て、それを印刷・PDFとかで保存してほしいなと思います」

【大川内】
最高裁判所が今年6月に公表した「発信者情報開示命令」の件数は、法律が施行された2022年10月以降、徐々に右肩上がりとなり、去年1年間の申し立ては初めて1万件を超えました。

【アナウンサー】
費用についてはどの程度かかるんでしょうか?

【大川内】
費用は一概には言えませんが、特定までに40~60万円程度はかかるとされていて、損害賠償の裁判を起こすとなると別に費用がかかってきます。
清水弁護士によると、こうしたSNSが原因の名誉棄損を訴える裁判では判決の額が30万~90万程度で、今回の平尾さんの合計500万円という数字はかなり大きいということでした。
軽い気持ちの誹謗中傷が多額の慰謝料につながることもありますので、使い方をあらためて見直すことが必要かと思います。

サガテレビ
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