北海道函館市の観光名所・金森赤レンガ倉庫群近くの「七財橋」から転落し、脊髄損傷の重傷を負ったオーストラリア人の男性(66)が、函館市に介護やリハビリ費用の一部など約4億円の損害賠償を求めて10月1日、函館地裁に提訴しました。
男性側は橋の欄干の高さが国の基準を大きく下回っていたと主張しています。
七財橋は金森赤レンガ倉庫群を背景に記念写真を撮れる人気の撮影スポットです。
代理人弁護士によりますと、男性は2025年5月27日、観光で函館市を訪れた際、七財橋の取り付け道路で小石を踏んでバランスを崩し、欄干を越えて約3メートル下の岸壁に頭から転落。病院に入院しましたが、四肢がまひする後遺症が残りました。
男性側は、橋の欄干の高さが約56センチで、国の定める基準の110センチに満たないとして、防護柵を設置する必要があったと主張。
欄干などの設置・管理に問題があったとしています。
男性側は2026年2月、約520万円の損害賠償などを求める通知書を函館市に送付しましたが、市は「歴史的な建造物であるため、国土交通省の基準を用いない特段の事由があり、工作物の瑕疵はない」などと回答したということです。
提訴を受け、現地を取材しました。
橋の上では多くの観光客が記念写真を撮る姿が見られました。
神奈川県から訪れた観光客は「柵があって低いから気をつけようと思う」「観光地なのでそういう対策も必要なのかな」と話す一方、「写真を撮っているので柵があまり視界に入っていない」と、撮影に夢中になる危うさも口にしました。
別の神奈川県からの観光客は「危険性はあまり感じない」としつつも、「子どもが写真を撮っていたが高さが低いので危ないなと思った」「うまく歴史的な建造物を残しながら対策できないか」と語りました。
また別の観光客は「自分が悪いと思います、群馬の『吹割の滝』なんて柵も何もないですからね。でもみんな落ちないようにしている」と話し、意見が分かれています。
函館市は今回の訴えに対し「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としています。
