東京電力は福島第一原子力発電所2号機で、10月2日午前10時に、3回目となる「燃料デブリの試験的取り出し」作業に着手した。
これまでの2回とは異なり、試験的取り出しのために開発された大型の「ロボットアーム」による作業となる。ロボットアームは当初計画されていた2021年から「5年越し」の投入。
2011年の福島第一原発事故当時、1~3号機は稼働中で炉心に核燃料が格納されていたが、地震と津波で電源が失われたことで炉心を冷やす機能が喪失。核燃料が過熱し、金属やコンクリートを巻き込んで冷え固まったものが“燃料デブリ”となった。
福島第一原発に残る燃料デブリは1号機に279t、2号機に237t、3号機に364tの計880tと推計されているが、今もなお、強い放射線を発し続ける燃料デブリには、人が直接近づくことはできないため、正確な位置や形状の全容は把握しきれていない。
この燃料デブリへの対応は、廃炉の“最難関”であり“本丸”とされている。
2021年に計画されていた燃料デブリの試験的取り出しは、ロボットの開発の遅れなどにより延期されていた。事故後13年8か月が経過した2024年11月に初の、2025年4月に2回目の採取が実施されたが、格納容器につながる配管の中に事故の熱で溶けたケーブルなどが固まって詰まっていたため、2回の採取とも、開発が進められていたロボットアームではなく、狭い場所を通ることができる“釣り竿型”のロボットを使用していた。
3回目の試験的取り出しはようやくロボットアームが投入される。全長は約22m、重さは約4.6t。製作にかかった費用はこれまで約78億円と公表されている。ロボットアームは4月に福島第一原発に搬入されたが、水の侵入による“サビ”の影響とみられる不具合でアームが伸びなくなる事象が発生。部品の交換作業と動作確認が行われてきた。
今回の作業においては、ロボットアーム先端が格納容器に入るための弁を通過することが作業への“着手”となり、格納容器内の3Dデータ等の取得を経て、燃料デブリの“採取”作業に入る見通しで、“着手”から“採取”までの間に3~4か月かかるとみられている。
国と東京電力が掲げる「2051年の廃炉完了」まで残り25年。3号機でも2037年度以降に燃料デブリの大規模取出しが計画されるなど“廃炉の本丸”への対応が廃炉に向けた大きな課題のひとつとなっている。
