台風25号の豪雨で堤防が決壊し住宅地に大量の水が流れ込んだ千葉県栄町の印旛沼。
発生から4日が経過した現在も排水機場では懸命の排水作業が続いています。
太いホースが何本も川に向けて伸び、轟音とともに大量の水を吐き出し続けていますが、再びの雨に住民の不安は募っています。
現地で取材を続ける田中良幸リポーターが排水機場の現状を報告しました。
■ 北と南、2カ所の排水機場がフル稼働
【田中良幸リポーター】「印旛沼の水位を下げるため、栄町にある印旛排水機場(北側)と、八千代市にある大和田排水機場(南側)が24時間体制で稼働しています。
長戸川の両サイドには16本のホースが取り付けられ、くみ上げた水を一級河川・利根川へと流し続けています。
利根川は東へ向かい、最終的には太平洋へとつながっています。
また、印旛排水機場のポンプ施設は、アンテナが付いた大きなコンクリートの建物の中にあります。
その排水能力は毎秒92トンで、4秒あれば25メートルプールを満杯にできる計算です。
それほどの処理能力を持つ施設が昼夜を問わず動き続けていても、今回の洪水には追いつきませんでした」
■ 決壊時は一部で水位5メートル超
水資源機構によると、平年この時期の印旛沼の水位は約2メートルです。
しかし堤防が決壊した際、一部の場所ではその水位が5メートルを超えていました。
25日午前11時時点での水位は約2.92メートル。
1日あたりおよそ70センチのペースで下がっており、26日中に平年並みの水位に戻せる計算となっています。
水が流れ込んだ住宅地では、沈んでいたガードレールも再び姿を現したものの、まだひざ下ぐらいまでの水が残っています。
【田中良幸リポーター】「24時間体制で流れていても、なかなか水位が引かないということは、どれだけの量が当初、印旛沼のほうに溜まっていたのかということです、本当に」
■ 決壊した堤防はいまだ「穴が開いた状態」
水位を下げる対策が取られる一方、決壊した堤防そのものは修復されていません。
田中リポーターは取材時点でも堤防は「穴が開いたような状態」のままだったと報告。
後片付けを始めた住民たちにとって、修復が進まない堤防が“脅威”となっていると伝えます。
【田中リポーター】「住民からすると、ここ(決壊部分)を少しでも塞いでもらわないと、今せっかく後片付け作業をしているものが全部無駄になってしまって、不安というよりも、ただただ恐怖でしかない」
国交省は25日から堤防の緊急復旧工事に着手し、24時間態勢での作業を進める方針を示していますが、26日以降には大雨が、さらにその先には台風の北上も予想されています。
■増える“決壊”判明箇所 時間争う作業が続く
通常の排水機能だけでは対応しきれないと判断した国土交通省は、緊急災害対策派遣隊としてポンプ車4台を印旛排水機場に出動させました。
現場周辺には10本以上のホースが張り巡らされており、長戸川の両岸から水を組み上げる態勢が整えられています。
さらに、関西テレビの神崎博解説デスクは25日に明らかになった国の動きを解説。
【神崎博デスク】「国土交通大臣は、国交省・千葉県・水資源機構の3者が連携して「チーム印旛沼」を結成したことが明らかにしました。
住宅地の水もポンプ車によって急いで排水しようという動きがあって、今、車を30台まで増やし、なんとか次の雨が来るまでに排水しようということで動いています」
決壊が明らかになっている箇所はここに来てさらに増えています。
次の雨が来るまでのわずかな時間を争う作業が続いています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月25日放送)
