ツイセキです。
【辰已キャスター】
「今大きなクレーンで砂のようなものが隣の船に移されています。あちらが酸素濃度の低下を改善するための石炭灰だそうです」
去年、大量死が深刻な問題となった広島のカキ…今年も、坂町を含む広島湾北中部の海域で海水の「酸素濃度」が基準値を下回りカキが大量死するリスクにさらされているとして、先週、初めて「厳戒アラート」が発信されました。
県内各地で対策がとられる中、坂町漁業協同組合が活用しているのが、”石炭灰”を加工した粒状の「Hiビーズ」です。
【辰已キャスター】
「石のような形状なんですが、角が丸くなっていて1センチ未満から2、3センチあるものまで様々です」
海底のヘドロを浄化し、海中の酸素不足を防ぐ効果が期待されています。
坂町漁業協同組合では、14日から5日ほどかけてカキの養殖漁場4,5ヘクタールにおよそ8000トンの「Hiビーズ」を散布します。
【辰已キャスター】
「あちらの船の上に山積みになっているのが、石炭灰です。今海底にあるヘドロを覆いかぶせるようにして海にまいていきます」
坂町漁業協同組合では2012年から「Hiビーズ」を活用してきましたが、今回は最大規模の導入です。
【坂町漁業協同組合・尾崎拓也参事】
「今は筏を逃がして安全な場所にカキを置いているが、海底が貧酸素でヘドロがたまった状態が大きい。非常に水深が浅いところなので、海底の影響を受けやすい場所なので、そこの環境を改善したいと思って取り組んでいます」
去年はカキの6割から7割が死滅する被害が出ている坂町のカキ。
今年は何としても守りたい思いです。
【坂町漁業協同組合・尾崎拓也参事】
「現在は生育状況はいい方向なので、今ちょうど雨が降っていますし、早いうちに酸欠が解消されれば、カキが育ちやすい環境になるのでそこを期待しています。広島はカキの産地なので、皆さんにたくさん食べていただけるいいカキを作れるように漁業者とともに頑張っていきたいと思います」
■石炭灰の散布がなぜ海中の酸素不足を防ぐのか
ここからは、辰已さんです。
【辰已キャスター】
14日のような雨も、カキの漁場を改善するという意味では、海水温が下がるので意味があるんですけれども、石炭灰の方がより大きな効果を期待できるということです。
どういった仕組みなのか。
実は、石炭灰がヘドロに蓋をするような状況になるということなんです。
これによって、今までヘドロに奪われてしまっていた酸素も海中にとどまることができますし、海中に出て行ってしまっていた硫化水素も石炭灰によって抑えることができるという構造になっています。
坂町では「Hiハイビーズ」と呼ばれる石炭灰を使用していますが、自治体によっては地域によって同じような効果があるカキ殻をまいている取り組みもあるということです。
坂町漁業協同組合によりますと、カキを守るためによりよい環境の養殖漁場に一時的に移動させる方法が取られることがありますが、去年は移動できる場所を見つけるのが困難なほど環境が悪い状態だったということで、そもそもの原因となる漁場環境の改善に注力する動きが高まっています。取り組みの効果、期待したいですね。
【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「去年、大漁死があったので、今年は対策ができているのかなと思っていたのですが、そうでなかったんですね。広島としては、やっぱりカキが名産ですから、なんとかいい環境になってもらえないのかなと思います」
先週、「厳戒アラート」が出たということで心配されている方もいらっしゃるかと思いますが、「厳戒アラート」は海域に出されているものでカキの生育状況が悪いという意味ではありません。
実際に坂町のカキは現在は別の場所に移され順調に育っているということで、一刻も早く酸欠が解消され元の漁場に戻せることが期待されます。
