沖縄県知事選挙では13日、自民党や日本維新の会、国民民主党など6党の推薦を受けた新人の古謝玄太氏(42)が当選しました。
古謝氏は県民所得の倍増などを掲げたほか、普天間基地の「辺野古移設」については“容認”する立場を取っています。
一方、辺野古移設“反対”を掲げ、2期8年にわたって知事を務めた玉木デニー氏(66)は敗れました。
古謝氏の勝因は何だったのでしょうか?
現地で取材した、元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏が解説しました。
■ 12年ぶりの転換 42万票超という圧倒的な民意
今回の沖縄県知事選で当初優勢とみられていたのは玉城デニー氏でしたが、古謝玄太氏は「県民所得の倍増」や「子育て支援予算・観光消費額2倍」など経済の活性化を掲げ、競り合う展開に。
古謝氏は若い世代からの支持を集めたほか、妻・娘・妻の母親など「古謝ファミリー」の演説による後押しもあり、過去最多の得票数となる42万3124票を獲得。
玉城デニー氏の27万6060票を大きく上回る圧勝となりました。
沖縄では12年ぶりに普天間基地の辺野古移設“容認派”の知事が誕生することになります。
■ 「現地の熱量は圧倒的に古謝氏」と石戸氏
元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は投票日の3日前に現地に入り、選挙戦の空気を肌で感じていたといいます。
【石戸諭氏】「『現地の熱量』は、今回はもう圧倒的に古謝さんに吹いてるなと」
最も印象的だったのは、選挙運動を支えるスタッフの勢いだったと石戸氏は語ります。
【石戸諭氏】「まず(スタッフの年齢が)若い。そして“やらされてる感”ではなくて、自分たちで“自発的にやってます”という顔になってたので、これは勢いあるなと感じさせられました」
■ 勝因は「対立疲れ」と「経済」か
石戸氏は圧勝の要因として、普天間基地の辺野古移設問題をめぐる「対立の疲れ」を挙げました。
【石戸諭氏】「もう『国と対立してるだけだよね」と。『対立した後にどういうビジョンを打ち出すの?』というときに、現職・玉城デニー陣営はとにかく『反対だ』という姿勢は打ち出したんですけども、そこから先の手は完全に実質的に失っていた」
一方、古謝氏はそこに「経済」という新たな軸を打ち込みました。
【石戸諭氏】「『前に進める』という言い方で、この停滞感を打破するために、経済問題という軸を出した。その経済問題という軸に多くの県民は響いたんだと僕は見てます」
■ 辺野古沖での転覆事故が揺さぶった「信頼の土台」
石戸氏がもう一つの大きな要因として指摘したのが、沖縄県の辺野古沖で船2隻が転覆し、修学旅行中だった京都の同志社国際高校の女子生徒と船長が死亡した事故です。
転覆した船は、辺野古移設に反対する市民団体の抗議船でした。
この事故は、直接的な選挙の争点にはならず、両陣営ともそれを前面に出さないと決めていたといいます。
しかし、水面下では有権者の心理に深い影を落としていたと石戸氏は分析します。
【石戸諭氏】「今までは、反対運動をやってる人たちは世論を背負っている(と思われていた)。『自分はデモまでは行かないし、参加しないけども、でも沖縄のためにやってくれてるよね』と。『(辺野古基地移設)反対という県民の声を背負ってやってくれてる』というなんとなくのイメージが、辺野古の転覆事故で崩れた」
■「玉城氏自身も難しい立場に置かれていた」
事故後の対応も、不信感に拍車をかけたといいます。
【石戸諭氏】「反対運動の人たちは、謝罪も乏しいというか、届くような謝罪をしていない。再発防止策もあまり明確に打ち出せなかった」
さらに、玉城氏自身も難しい立場に置かれていたと石戸氏は語ります。
【石戸諭氏】「(事故を起こした市民団体も)玉城氏の支持層なので、その支持層に対するデニー氏も何か奥歯に物が挟まったというか、明確に彼らを批判することもできない。そういう状況になったことに対して、呆れとか失望、どちらかというと失望が大きかったんじゃないか。それが古謝さんに票が流れた最大の理由だと思います」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月14日放送)
