8月末の記録的大雨で浸水被害を受けた福井県内の家屋約1200棟のうち、半数を占める627棟が坂井市でした。浸水した家の片付けが進む一方で、被害の程度が確認されず、支援を受けるための手続きが進んでいない住宅もあります。坂井市丸岡町で被災した住民の現状を取材しました。
坂井市丸岡町。
「ここまで浸水した…」(住民)
先日の大雨で浸水被害に遭った住宅の住民は、匿名で取材に応じてくれました。
Aさんが匿名を希望したのは「地域にはもっと深刻な被害に遭われた方もいて、申し訳ないから」というのが理由です。
浸水した高さは約50センチ。Aさんが事務所兼車庫として使っていた部屋では冷蔵庫や下駄箱などが泥水に浸かったほか、電源コンセントや通信機器も浸水して使えなくなりました。
「畳をめくると床下まで泥だらけだった…」
普段生活している居間に水が入ることはありませんでしたが、床下には泥水が入り込んで清掃・消毒を行うため業者が来るのを待っているということです。
「業者を予約したが、いつになるか分からないが来ると言われて…」
Aさんはいま、罹災証明書の申請に向けて被害の状況を整理していますが、大きな問題に直面しています。
罹災証明書の発行に向けて市の職員が被害状況の確認に訪れることになっています。浸水が床上か、床下かで受けられる支援のメニューが変わってくるのです。しかし、申請から5日たったいまも職員は訪れていません。「市役所本庁の税務課が危うい所を回っていて、順番でいつになるか分からないがうかがいますと」言われたといいます。
こうした現状を市に問い合わせたところ「被害状況の確認を待っている住宅は約90軒に上っている」ということでした。
市に罹災証明の窓口が開設された9月5日から2日間は、県から応援の職員を受け入れていましたが「現在はいまの職員の体制で確認が取れる」との回答でした。
ただし今後、申請件数が増える場合には、確認する市職員を増員したり、他の自治体に応援を要請したりすることも検討しているということです。
被災者が一日も早く支援を受けられるよう、早急な対応が求められています。
