釜田気象予報士の解説です。
秋末アナ:
発達した雨雲が次々と流れ込んだ県内は相次いで線状降水帯が発生し、羽咋市や志賀町など能登南部にレベル5大雨特別警報が発表される記録的な大雨となりました。
羽咋で午前6時30分までの1時間に82ミリの猛烈な雨、
小松でも午前9時までの1時間に66.5ミリと非常に激しい雨が降り、いずれも1時間の降水量が観測史上最大となっています。
また羽咋では午後2時30分までの24時間に降った雨の量が340.5ミリにのぼりました。
羽咋の8月1か月間の雨量は平年188.7ミリなので1日で1か月分の倍ほどの雨が降ったことになります。
この雨の原因はどういったところにあるのでしょうか。
釜田気象予報士:
秋のはじめに発生しやすい集中豪雨の条件がそろったことが今回の大雨の要因と考えられます。
天気図をご覧ください。秋雨前線が日本海から北日本を通って日本の東に延びています。そして台風18号による反時計回りの風と日本の東にある高気圧の縁を回る風が合流しながら日本付近に暖かく湿った空気を大量に送り込み、前線を刺激しました。
雨雲の動きを振り返りますと昨夜遅くから能登南部を中心に活発な雨雲がかかり始め、10時間以上にわたって同じような地域に雨が降り続きました。
秋末アナ:
なぜ雨雲が同じ場所に流れ込み続けたのでしょうか。
釜田気象予報士:
個々の積乱雲の寿命は30分から1時間程度と短いのですが今回は集中豪雨をもたらす雲のシステムが出来たのではないかと考えています。
秋末アナ:
雲のシステムとはどういうことですか?
釜田気象予報士:
こちらの図で説明します。大気の状態が不安定になり積乱雲が発生します。
当時県内上空では西の風が吹いていたので、この積乱雲は発達しながら東へと流されます。
この雲から強い雨が降ることで冷気が下降し、地表付近の暖かい空気を押し上げて上昇気流が起こります。
すると新たな積乱雲が発生します。先に発生した積乱雲がどんどん流され衰退する一方、風上側には次々と新たな雲が発生し雨を降らせる。
このようなシステムが形成され、今回の豪雨になったと考えられます。
秋末アナ:
ひとつの大きな雲ではなく次々と新たな雨雲が作られる状況にあったということなんですね。今後の雨はどうなる見込みでしょうか。
釜田気象予報士:
このあと前線はあす夜にかけてゆっくりと南下し、本州の南岸に達する見込みです。また上空5500メートル付近ではマイナス6度以下の寒気が入り、県内はあすにかけても引き続き大気の状態が不安定になる見込みです。
気象台はあす朝6時までの24時間に加賀能登ともに多いところで200ミリの雨が降ると予想しています。
雨のピークは一旦は過ぎましたが多くの雨が降った地域ではこのあとも土砂災害に厳重に警戒してください。
