福岡県議会の正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑の渦中にある蔵内勇夫議長が、議員辞職を表明したことに対し、先日の臨時議会に議長職の辞職勧告決議案を提出した吉松源昭県議が24日午後、取材に応じ「さまざまな疑惑の説明責任がなくなるわけではない」と述べました。
蔵内議長は24日午前、「8月25日(火)に東京で開催される女性議員研究交流大会での全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うしたうえで、福岡県議会議員の職を辞することとしましたので、お知らせいたします」とのコメントを出しました。
これに対し、金銭授受疑惑を証言し、先日の臨時議会で議長職の辞職勧告決議案を提出した吉松県議が24日午後、取材に応じました。
主なやりとりは以下の通りです。
◇ ◇ ◇
吉松県議:
きょう蔵内議長が辞任を表明されたということですので、所感を述べさせていただきたいと思います。先週まで全く否定していた中で、なぜ急に議員辞職となったのか、今の段階では分からない部分も多いわけですが、たとえ議員辞職をしても高額な海外視察問題あるいは県の部課長会によるパーティー券の購入問題、あるいは金銭授受問題、ワンヘルス事業などさまざまな疑惑の説明責任がなくなるわけではありません。そもそも蔵内議長は記者会見も6月以降開いておらず、まずはしっかりと記者会見をして県民に説明を行い、併せて全容解明にに向けて第三者委員会の調査にもしっかりと協力してもらわなければならないと考えています。そして、これらの調査により明らかになった無駄または不要な公金の支出については、全額返金される必要があると考えています。議員辞職をしたからといって説明責任あるいはこれまでの責任について免れるものではないということをこれからもしっかりと訴えていかなければいけないと思っています。
ーーどういう形で辞職を知ったか、そのときどう思ったのか。
吉松県議:
知人から一報が入りました。大変驚きました。先週まで議員どころか議長も「しかるべき時に辞める」と言って、いつ辞めるかもよく分からないような状態だったわけなので、本当、急転直下という思いです。
ーー議長だけでなく議員を辞めるということについては。
吉松県議:
おそらくこれからその事情もはっきりしてくるんだろうと思いますが、何か大きな動き、大きな環境の変化があったんじゃないかと推察してます。
ーー蔵内議長自らが言っていた「めど」と違うタイミングとなったことについては。
吉松県議:
私は先週月曜日(17日)に議長職の辞職勧告決議案を出しましたが、そのとき県民の声として多く寄せられたのは「たとえ議長を辞職しても、それでは許されない。まず議員辞職までやってもらわなきゃいけない」という声でした。その意味では今回、議員辞職の決断に至ったということは、県民の思いが一つ叶ったと思ってます。
ーー今後の県議会の運営に蔵内議長の辞職はどう影響するか。
吉松県議:
目に見える形では、新しい議長をまず選ばないといけないので、新議長が誕生するというところで変わりますし、そしてこの新しい議長をどう選んでいくか。今までであれば例えば自民党の中で候補を選んでその候補をみんなが推すことによって、ある程度順番で決まっていましたけども、それをまた同じような決め方をするのでは県民は納得しないと思います。特に高額の海外視察などに関わっている人が平気な顔をしてなるようであれば「今後の第三者委員会の調査がきちんとできるのか」という声も出るでしょうし、いろいろなことを勘案しながら選ばれていくべきと思ってます。
ーー蔵内議長の議員辞職によって疑惑解明が遠ざかる可能性はあるか。
吉松県議:
私は絶対そんなことがあってはいけないと思っています。(議長が)今までずっとブレーキになっていた。第三者委員会を作ろうと私がいくら提案しても「作らない」というブレーキになっていた。そのブレーキがなくなったことでこれから調査がしっかりと進んでいくというようにしなければならないと思っていますし、私も議会の中で全容解明の手を緩める気はまったくありません。
ーー蔵内議長が議員辞職した後、第三者委員会の調査にはどのように臨んでほしいか。
吉松県議:
私の認識では、議員を辞めても第三者委員会へは協力すべきということになっているはずですので、しっかりと逃げることなく受けてもらいたい。受けてもらわなくてはいけないと思っています。
ーー今回の辞職は例えば自民党の上のほうからの声みたいなものがあったと考えるか。
吉松県議:
もしかしたらあるかもしれないと思います。私も元々自民党にいましたから、知り合いの自民党国会議員を通じてそのような話がありました。「自民党本部も大変心配してるんだ、このままでは福岡県の騒動が沖縄知事選に影響してくることを心配している」という話がありました。私がその国会議員に申し上げたのは「いやいや、私が沖縄知事選の足を引っ張ってるんじゃないですよ」と。この問題を起こした人たちが引っ張ってるんでしょうと。ならば、この人たちを党本部が処分すべきでしょうと。自民党本部が処分すべきことによって、県民の理解、国民の理解は得られると思いますよと。むしろかばう方、隠蔽する方に回るようであれば、それは自民党がますます窮地に陥るんじゃないですか、というようなことを申しましたので、今、質問があったようなことが、もしかしたらあったかもしれません。
ーー蔵内議長が県議会からいなくなることで今後、各議員が第三者委員会の調査などに話しやすくなるといったことはありそうか。
吉松県議:
まさに私はそこに期待しています。17日の中止動議でも、本当だったら私の案に賛成しようとしてた自民党の中堅若手が15人ぐらいいたと聞いてますが、結局、自分たちの意に反する決議をさせられた。やはり蔵内議長の影響力は強かったんだと思います。その影響力がなくなるということは、自分の良心に従った活動が、各議員もできるようになると期待しています。
ーー「吉松さん1人だけ聖人君主なのか、無罪なのか」というような批判もあるが。
吉松県議:
当初から申していますが、私も当然第三者委員会の調査を受けます。そして捜査も既に受けている途中です。場合によってはこの後、司法においても何らかあることも十分考えられます。私は逃げずにその判断を受けたいと思っています。これまですべて話してきたつもりですし、これからも話していくつもりです。
