長野県の諏訪保健所は、諏訪市内の旅館でサルモネラ属菌により食中毒が発生したことを発表しました。旅館で調理された食事を食べた81人が下痢、腹痛などの症状を訴え、このうち3人が入院しました。
諏訪保健所によりますと、8月12日午前9時ごろ、医療機関から「8月9日に旅館を利用した家族のうち、複数名が胃腸炎の症状を訴えている」旨の連絡が諏訪保健所にありました。
患者は8月8日から9日に諏訪市内の旅館「油屋旅館」で調理・提供された食事を食べた東京都、愛知県、埼玉県などに住む10歳未満から70代以上の計81人で、9日午前10時ごろから、下痢、腹痛、発熱などの症状を訴えました。このうち33人が医療機関を受診し、3人が入院したということです。
松本保健所と関係自治体が行った検査により、患者の便と食品からサルモネラ属菌が検出されたということです。
検出された食品は、白身魚を使ったしんじょにとうもろこしの餡がかかった「とうもろこしのすり流し」で、8日と9日の夕食で提供されたメニューで、患者の9割が食べていたということです。
検査結果や患者の症状、医師から食中毒の届出があったことから、諏訪保健所は、この旅館で調理・提供された食事を原因とする食中毒と断定しました。
諏訪保険所によりますと、患者のほとんどは家族旅行で旅館を利用していて、8日と9日の夕食はハーフバイキング、9日、10日の朝食はバイキング形式だったということです。
入院した患者3人はすでに退院していて、他の患者も全員快方に向かっているということです。
諏訪保健所はこの旅館の調理部門に対して、8月20日から22日までの3日間の営業停止を命じました。
【患者へ提供されたメニュー】
信州生蕎麦、信州福味鶏治部煮、刺身(タイ)、翡翠豆腐、とうもろこしのすり流し、
ご飯、味噌汁、カレー、ポテトサラダ、オレンジゼリー、わらび餅、カットケーキ、
バニラアイス、お汁粉、白玉、寿司(サーモン、イカ、エビなど)、たこ焼き、炒飯、
ミックスピザ、天ぷら(ちくわ、さつま芋など)、和風バーニャカウダ、根菜炊合せ、
乱切りポテト、麻婆豆腐、きくらげ昆布、焼きそば、鶏のから揚げ、ハンバーグなど
■サルモネラ属菌による食中毒の特徴・症状・予防方法は
【サルモネラ属菌による食中毒】(長野県より)
■特徴
サルモネラ属菌は自然界に広く分布しており、哺乳類、鳥類、爬虫類などが保菌しています。特に家畜(ブタ、ニワトリ、ウシ)の腸管内では、常在菌として存在していることが知られています。
サルモネラ属菌による食中毒の原因としては、鶏卵および鶏肉が多く、他の家畜の肉や魚介類なども原因となっています。爬虫類等のペットをはじめとした保菌動物を介して食品を汚染する場合もあります。
サルモネラ属菌は乾燥に強い菌であり、土壌や冷凍環境中であっても数年間生存すると考えられています。
また、小児及び高齢者はサルモネラ属菌の感受性が高く、少量の菌でも発症する可能性があります。
【症状】
潜伏期間は通常、6時間から 72 時間とされていますが、3日から4日後の発症も珍しくありません。主な症状は腹痛、下痢、発熱(38℃~40℃)、嘔吐ですが、小児では意識障害、痙攣及び菌血症、高齢者では急性脱水症および菌血症を起こすなど重症化しやすく、回復も遅れる傾向があります。また、死亡例も報告されています。
【予防方法】
・加熱が必要な卵・肉・魚介類などは、中心まで十分に加熱しましょう。
・卵・肉・魚介類などの生鮮食品は新鮮なものを購入し、冷蔵庫に入れて保存し、早めに食べましょう。
・生の卵・肉・魚介類にさわったら、よく手を洗いましょう。
・生の卵・肉・魚介類に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗浄・消毒しましょう。
・小児や高齢者には、加熱不足の卵・肉などを出さないようにしましょう。
・ペット等の動物が食品や食器に触れないようにしましょう。また、動物に触れた後はよく手を洗いましょう。
