今週シリーズでお伝えしている再構築に向けた議論が進む富山地方鉄道の鉄道線。
電鉄富山から黒部市の宇奈月温泉へ走る「本線」は全線維持を前提に検討を進める方向が示されました。
沿線住民から維持を求める声がある一方で沿線の自治体では受け止めに温度差があります。
何が課題なのかまとめました。
*滑川市民
「やっぱり子どもたちがね、学校行くときに、富山行くときとかにあったほうがいいと思います」
*滑川市民
「最寄り駅が地鉄なので無くなってしまうと困るなというのはありますね。せっかくメリカを作って整えられたので、(本線が)無くなっちゃうともったいないのかなと、不便になっちゃうので」
*魚津市民
「廃線になったらどうするんだろうという思いが一つある。されとて、存続すればたくさんのお金がかかる。それが市に対しての財政負担になるとしたら残してほしいという気持ちではダメなような気がする」
*滑川市民
「税金はある程度は仕方ないけど、反対が多い気がする。税金はどうかなと、この間(滑川ー新魚津)については」
沿線では、学校に通う交通手段として欠かせないことや、本線がなくなれば街の衰退につながりかねないことから、維持を求める声が多く聞かれます。
本線を巡っては、あいの風と並行して走る【滑川ー新魚津】間の存続・廃止を巡り議論が続けられてきました。
先月21日の会合では新田知事が本線全線を維持する方向で検討するとしていて富山市や魚津市、黒部市、立山町は支持する考えを示しています。
*新田知事
「全線維持ということで検討することに決まりました」
*富山市 藤井裕久市長
「3線ある、この全体的なネットワークには価値がある。これを残していくには、各沿線自治体の総意が大事」
*魚津市 村椿晃市長
「現行維持を基本に考えていきたい」
一方で、滑川市と上市町、舟橋村は鉄道を維持するための負担額や分担方法が示されていないとして慎重な姿勢です。
*滑川市 水野達夫市長
「理解いただいたとは言えない。まだ迷っている、賛成でも反対でもない」
*上市町 中川行孝町長
「負担が明確でない中で、一緒の船に乗るという返事は、厳しい」
新田知事が本線の全線維持に向けた検討を進めるとしたのに対し費用負担について自治体間で温度差があるわけですね。
費用負担をめぐる議論に慎重な姿勢を示す滑川市の水野達夫市長に、考えを聞きました。
*滑川市 水野達夫市長
「決まったけ?受け止め方が私らとニュアンスが違う。あれだけ言っているのに、(知事は)原稿棒読みで決まりました、みたいな。言い方はあるかもしれませんが、富山地方鉄道を残したい、あるものは残したい、それは分かります。わかるけれども、それ以外に福祉など、これからかかってくる費用も考え、中長期的な財政見通しを考えたら慎重にならざるを得ない」
滑川市が行った独自のアンケートでは、本線を維持するための行政負担について、「負担すべき」は49.1%
「負担すべきでない」は50.9%
市民の意見は、ほぼ二分しました。
*滑川市 水野達夫市長
「市民に納得してもらえる費用ならば、また考えて、対話しながらそういう方向へ持っていくのも首長の役目だと思います。(費用負担が)出てない段階で判断できない」
地鉄再構築事業費は車両の導入や、設備更新など鉄道を将来にわたって運行するための設備投資に充てられます。
費用については基本的には国が50%補助し、残りの50%を県と沿線市町村が25%ずつ負担する枠組みが想定されています。
ここで問題となるのが沿線市町村が負担する25%の中身です。
地鉄が通る市町村は7つありますが自治体ごとに、路線の長さで決めるのか、利用者数や地域が受けるメリットを基準にするのかも、決まっていません。
今回とはケースが異なりますが、先行して再構築が行われている城端線・氷見線では、自治体ごとに設置されている駅舎の数や規模、線路の長さ、利用者数などをもとに、沿線4市の負担割合を決めました。
9月からの検討会では富山地方鉄道の再構築にあたり県を含めた沿線自治体がそれぞれの財政規模を考慮しながら納得のいく話し合いができるかが鍵となります。
本線を巡り全線維持という大きな方向性は決まったものの、今後、想定される負担割合の議論で混乱する可能性もあります。
6日は、再構築によって鉄道の利便性をどう高めるのか、富山地方鉄道の新たなかじ取り役となった新庄社長に聞きます。
