夏休みには海水浴客をはじめ、大勢の観光客でにぎわう南伊豆地域。しかし、2026年6月、土砂崩れで鉄道が運休。半島の先端に位置し、災害で交通が容易に寸断される脆弱さが浮き彫りとなった。

観光地の不安
夏本番を迎えた静岡県内。下田市や南伊豆町など南伊豆地域も、海水浴場や観光施設などは大勢の観光客でにぎわっている。ただ地元の土産物店や飲食店からは不安の声が聞かれる。不安の理由は、6月の台風接近で浮き彫りとなった交通の寸断だ。

下田市や南伊豆町などを訪れる観光客が利用しているのが、伊東から下田までを結ぶ全長およそ46kmの伊豆急行。最近では、伊豆急行の乗ってやってくる外国人観光客も多くみられるようになった。
台風で伊豆急行が運休
しかし、6月初めに襲来した台風6号。伊豆に線状降水帯が発生し、大雨が襲いました。そして、伊豆急行の今井浜海岸駅から500mほどの場所で土砂崩れが発生。崩落した大量の土砂が線路に流入して、列車は運休に追い込まれた。

運行は4日後に再開したものの、2カ月近く経つ現場の斜面はまだ仮復旧の状態で、本格的な復旧工事に向けた作業が続いている。崩れた斜面にはブルーシートが掛けられたままで、折れ曲がった電柱もそのまま。列車が現場を通る時には、今も安全を確認しながら低速で通り抜けている。
伊豆急行は、観光客が南伊豆を訪れるための大切な交通インフラだ。ただ東伊豆の海岸線を走る路線は多くの区間で海岸と急斜面の山の間を走り抜ける。大雨などの際には土砂災害への懸念がぬぐえない。地元の土産物店も、「電車が止まるとかなり影響がある」と不安を抱える。飲食店も「電車が止まるなんて考えたくない。伊豆急には頑張ってほしい」と話す。
現場周辺は通行止め続く 復旧急ぐ
大雨による土砂崩れは、地元の人にとっても悩みの種だ。河津町の被災現場周辺に住むミカン農家の91歳の女性。周辺にはミカン畑が広がっているが、現場周辺は今も車が通行できない。車を利用する場合は迂回しなければいけない。肥料をまいたり、消毒したりする際に、車が使えず不便だという。
こうした地元の懸念を受け止め、伊豆急行は復旧を急いでいる。土砂が崩落した私有地については、河津町が2026年中に復旧を完了させる予定だ。町の復旧が終わり次第、伊豆急行は線路周辺の本格的な復旧工事を行う予定で、年内の完全復旧を目指すという。伊豆急行の山田岳文運輸部長は、のり面の対策工事や点検を進め、安全な運行のために適切に対応していく考えを示した。
寸断すれば孤立のおそれ

線状降水帯による大雨の激甚化・頻発化が進んでいる。特に伊豆半島は、鉄道はもちろん道路も含めて交通インフラが脆弱で、寸断すれば孤立するおそれもある。どう未然に防ぎ、どう迅速に復旧していくか、長年の大きな課題となっている。
(テレビ静岡)

