いま「ボードゲーム」が人気となっています。ボードゲームというとオセロや人生ゲームがすぐに思い浮かびますが、そのボードゲームは昨今、次々と新しい作品が生まれていて、市場規模は国内外で拡大。若い世代の間でも注目されているんです。

*Engames 杉木貴文社長
 「販売しているものでだいたい1300~1400種類くらい。同業でボードゲーム専業のところは10社あるかないかくらい。全国で」

全国でも珍しいボードゲーム専門店、 富山県射水市の「Engames」です。

社長の杉木貴文さんは、 学生時代からカードゲームのプロツアーに出場し、海外を転戦していたほどの腕前。6年前に会社を設立しました。

国内外のゲームの販売に加え、自社のオリジナル商品も製造・開発しています。(全7種類) 

人気の主力商品が、 カードとサイコロを使って点数を競う「ノコスダイス」。海外市場へも進出しています。

*Engames 杉木貴文社長
「今70か国くらいで流通の交渉が進んでいて、すでに15か国くらい決まっている。実際いま(現地の言語版で)製造も始まるタイミングの国も」

ボードゲームの本場、ドイツやフランスなどの販売代理店と交渉。富山生まれのゲームを世界に広げようと 海外展開を進めています。

*Engames 杉木貴文社長
「(アナログゲームの世界市場は)この8年くらいで2倍くらいになる予測。年率10%くらいの成長はあるんだろうといわれている」

世界で需要の拡大が見込まれるボードゲーム。

国内市場も活況で、去年公表された調査では、カードやボードを含めた「アナログゲーム」全体の市場規模は、この5年でおよそ2.5倍に拡大。コロナ禍の「巣ごもり需要」をきっかけに若者の間でも人気が高まっているといいます。

*Engames 杉木貴文社長
「仕事でもどんどんDXが進んだりデジタルな社会になっていく中で、せめて余暇の時間、ホビーの時間はアナログでありたいっていうような逆のニーズというか、そういったものがあるんだろうなと」

こうした中、 自ら新たなボードゲームを考案した大学生がいます。

*富山大学4年生 ボードゲームクリエイター 渡辺万丈さん
「黒い欲望を表せるゲーム。『ぜいきんであそぼ』というシニカルな名前」

富山市のコミュニティスペースで 学生たちが遊んでいたのは、なんと政治に「汚職」を体験できるボードゲームです。

その名も「ぜいきんであそぼ」。プレイヤーは政治家となり、カードを使って駆け引きをしながら自分の野望を達成。所持金を増やすのがゴールです。

税金の使い道を考えながら相手を裏切ったり、信頼関係を築いたり。

*ゲームに興じる学生
「い、いいでしょう…」

*ゲームに興じる学生
「なるほど」

*ゲームに興じる学生
「『記憶にございません』!」

制作の中心となったのは、 富山大学4年生の渡辺万丈さん。

去年クラウドファンディングで資金を募り、チームで開発しました。

*富山大学4年生 ボードゲームクリエイター 渡辺万丈さん
「(制作の)始まりは、政治について学びたいと思ったのと、政治って批判されがちだけどその批判が”学び”にならないなと。ちょっとシニカルな切り口だけどいかに中身は実際の政治に寄せるか。汚職とか触れづらいトピックに関してしゃべるという体験を学生がすると、学生の政治への関心がすごく高まるというのが僕の中では面白いと」

ゲーム制作のため、 渡辺さんは、富山市議会でインターンを経験。完成後は国内最大級のイベント「ゲームマーケット」に出展したほか、 県内の政治家と学生を集めた体験会も開いてきました。

*参加学生
 「交渉するっていう要素がめっちゃ面白い」

*参加学生
「政治を知らない身からしても楽しく学べるツールとしてはすごく面白い」

渡辺さんは、 「アナログ」だからこそのボードゲームの可能性にも魅力を感じています。

*富山大学4年生 ボードゲームクリエイター 渡辺万丈さん
「その場に人がいるので緊張感がけっこう段違い。人を陥れたりする要素もあるが、そのときのワクワク・ハラハラはデジタルじゃ味わえない。学校に行ってもオンラインでのつながり(のみ)、あまりサークルにはいらない子も。だからこそボードゲームはコミュニケーションツールとしてどんどん発展していくんじゃないかな。人と人が交流すると思わぬことが生まれる。人と人が仲良くなれるボードゲームをつくっていきたい」

この「ぜいきんであそぼ」、来月には大会も開くということです。

デジタル化が進む今だからこそ、顔を突き合わせて関係性を築く時間が新鮮に感じられるのかもしれません。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。