厳しい暑さが続く中、この暑さを少しでも和らげるような話題を、福井市中央から田丸萌夕希アナウンサーが中継でお伝えします。
 
創業明治30年の老舗和菓子店「松岡軒本店」では、夏の名物として手かき氷を提供しています。見るだけで涼を感じるだけでなく、福井の歴史に触れることで知的好奇心も満たされるという“一石二涼”の体験です。

<中継:田丸萌夕希アナウンサー>
こんばんは!福井市中央「松岡軒本店」から中継です。こちらでは、創業当時から変わらない製法で、特製のかんなを使って氷を削る手かき氷が夏の名物となっています。メニューは期間限定品を含め30種類以上。週末には1日200杯以上が売れるほどの人気です。
 
さて、きょうのテーマは「一石二涼」。一つ目の涼は、五感で味わう「涼」。そして二つ目の涼は、知的好奇心を満たす「歴史の涼」です。
 
まずは、五感で味わう涼から。淡島智子社長にお話を伺います。ポイントはどのような点でしょうか。
 
淡島社長:
「厳しい暑さだからこそ、多くの方に涼を感じていただきたくて、氷の温度に合わせて削りの粗さを変えています」
 
氷を削る音も涼しげですね。削りたての氷を一口いただきます。白山の伏流水が使われていて、水の味が澄み、喉元から全身にひんやりと冷気が広がります。

続いて、二つ目の涼、「歴史の涼」です。実は、氷を作る道具である製氷機の歴史をひもとくと、幕末の福井藩主、松平春嶽公の名前が浮かび上がってきました。福井市立郷土歴史博物館に詳しく聞きました。
 
山田学芸員:
「松平春嶽公は、明治初期に外国から製氷機を取り寄せて自宅に置いていましたが、使い方がわからず宝の持ち腐れ状態になっていたようです。明治3年、慶応義塾の創設者である福沢諭吉が高熱を患い、命が危ぶまれる事態になりました。その際に弟子たちが、春嶽公に製氷機を貸してほしいとお願いに来たのです。春嶽公は、諭吉のためにと製氷機を貸し出しました。これが、記録に残る日本人が製氷機を使った最初の事例とも言われています」
 
福沢諭吉の命を救ったのが、松平春嶽公の製氷機だったとは驚きです。
 
では、そんな福井の歴史に思いを馳せつつ、一番人気のかき氷、「マスカルポーネ羽二重宇治金時(1400円)」をいただきます。
 
ん~!ガリガリとした氷の食感と、コクのあるマスカルポーネがよく合います。自家製の抹茶の蜜とこしあんに、羽二重餅も入っています。冷たい氷の中でキュッと引き締まった羽二重餅が、口の中でとろりと溶けていく食感の変化もたまりません。
 
一杯一杯、こだわりをもって作られているかき氷ですが、実は今年、氷自体の仕入れ値が3割ほど上がったということです。
 
淡島社長:
「厳しい状況ですが、厳しい暑さだからこそ、多くの方に涼を感じていただきたくて、お値段はほぼ据え置きで頑張っています」
   
福井の歴史と職人の技が詰まった「松岡軒本店」のかき氷で、この厳しい暑さを乗り切ってみてはいかがでしょうか?

福井テレビ
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