「水を飲まない方が強くなれるはウソ」

危険な暑さが続く中、子供の熱中症リスクが高まっている。

炎天下での部活動に取り組む高校生たちと、愛媛のスポーツ栄養学専門家への取材から見えてきたのは、「水分補給」と「朝食」という“毎日の小さな習慣の重要性”だった。

強豪テニス部が徹底する「暑さに慣れる」訓練

炎天下の中、練習に励んでいるのは強豪・新田高校のテニス部の選手たちだ。

熱中症予防のため、欠かせないのが水分補給だ。

テニス部員:
「部活で水をたくさん作って置いたり、スポーツドリンクとか、塩分タブレットとか使って対策してます」

このほか、生徒たちは休憩時間には日陰に入り、体の状態を整える。熱中症対策で意識しているのは「暑さに慣れること」だという。

新田高校テニス部・谷原直史部長:
「試合が長い場合は、1つの試合に1時間30分ぐらいかかる場合もありますので、しっかり暑さに慣れさせることを確実にしています。実際試合の時には氷とか氷嚢とかを持たせて、なんとか暑さをしのぎながらプレーする」

休憩時間には日陰に入り、体の状態を整える
休憩時間には日陰に入り、体の状態を整える
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「アイススラリー」で足のけいれんがほぼ消えた

一方、こちらも全国トップレベルの強豪、バスケットボール部。

室温32℃を超える中、生徒たちは汗びっしょりになりながら練習に励んでいる。

冷房のない体育館には大型の扇風機を設置して暑さを和らげるほか、短い時間で効率よく練習するなど工夫している。

また、バスケ部では数年前からシャーベット状の飲み物「アイススラリー」を水分補給に取り入れた。

新田高校バスケットボール部・玉井剛部長:
「以前は熱中症の初期である足のけいれんとかは起こっていましたけど、アイススラリーを飲むことによって、足のけいれんとかはほぼなくなったと思ってます」

アイススラリーは細かい氷の粒子が入った飲み物で、通常の氷よりも体の内部を効率よく冷やすといわれている。

男子バスケットボール部の主将:
「やっぱり暑い時に飲んだら体が冷えて、そこからパフォーマンスが上がりそうです」

「アイススラリー」を水分補給に取り入れた
「アイススラリー」を水分補給に取り入れた

専門家が警告「2%脱水でパフォーマンスが落ちる」

子供の熱中症対策について、栄養学の観点から専門家に話を聞いた。

松山東雲短期大学・食物栄養学科・栗原和也准教授:
「“水をとらない方が強くなれる”というのはまったくのウソで、運動をしていて2%脱水すると、パフォーマンスが下がることになりますから、パフォーマンスが下がった状態でトレーニングをしても、いいトレーニングはならないですよね」

こう話すのは、スポーツ栄養学が専門の松山東雲短期大学・栗原和也准教授だ。

栗原准教授によると、子供は大人より体が小さく、同じ量の汗をかいても脱水の影響を受けやすいという。熱中症を防ぐためまず意識したいのが、水分補給だと強調する。

栗原准教授:
「練習後に減った体重というのは基本的に汗によるもの。それが体重の2%超えていないか、確認して超えていたら、練習中の水分補給が足りていないという形で、水分補給を促しています」

熱中症を防ぐためまず意識したいのが「水分補給」
熱中症を防ぐためまず意識したいのが「水分補給」

全国最下位の朝食摂取率…「一日のスタートから熱中症リスクが上がる」

運動中だけでなく、寝ている時間にも汗や呼吸によって水分が失われるため、専門家が次にポイントとして掲げるのが『朝食』だ。

私たちは食事から1日約1リットルの水分を取っているとされ、朝食を抜くと、この水分を取る機会も失ってしまう。

栗原准教授:
「水分を入れる機会を失った状態で一日をスタートさせると、一日のスタート地点から熱中症のリスクが、かなり上がった状態でスタートすることになる」

また、こんな気になるデータも。

子供の食生活について尋ねた国の昨年度の調査で、「毎日朝食を食べる」と答えた愛媛の小学5年の男子の割合は77.7%と何と“全国最下位”だ。全国平均の82.5%に対して4.8ポイントも低い。

忙しい朝でも朝食を食べる習慣をつけることが必要だ。

理想の朝食は、米やパンなどの主食、肉や魚、卵などの主菜、野菜などの副菜をそろえたもの。

中でも、水分を多く含む米やキュウリやミニトマトなどの野菜は、熱中症対策に向いている食材だ。

【食パン4枚切り一枚:水分量:35g】
【ごはん一膳150g:水分量:90g】

理想の朝食はこれだ
理想の朝食はこれだ

理想の朝食と「手軽に続ける」コツ

ただ、忙しい朝にすべてを用意するのは簡単ではない。

卵かけご飯や納豆など手間がかからないものや、栄養補助食品などの活用も効果があるという。

栗原准教授:
「子供が自分で何を食べてたらいいのか、何をどうとったらいいのか考えながら食生活を送っていくことによって、子供たちが成長していって、大人になってひとり暮らしのタイミングで食に対して意欲的になると思いますので、そこからいい体作りとか元気な生活を送ってほしいと思います」

毎日の小さな習慣が、子供たちの熱中症を防ぐことにつながる。

手軽な卵かけご飯や納豆、栄養補助食品の活用
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テレビ愛媛
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