日本全体に大きな被害を起こす南海トラフ巨大地震の被害想定が13年ぶりに見直された。長野県の被害想定について伝える。
震度6弱以上の想定が36市町村
想定によると、飯田市や伊那市などで震度6強、駒ケ根市や木曽町などで震度6弱と、南部を中心に強い揺れが予想され、他のほとんどの地域でも震度5弱以上が予想されている。
県内で「地震防災対策推進地域」に指定され、震度6弱以上の揺れが想定されるのは36市町村。
■佐久地域
川上村、南牧村
■松本地域
塩尻市
■諏訪地域
岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村
■上伊那地域
伊那市、駒ヶ根市、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村、
■下伊那地域
飯田市、松川町、高森町、阿南町、阿智村、平谷村、根羽村、下條村、売木村、天龍村、泰阜村、喬木村、豊丘村、大鹿村、
■木曽地域
木曽町、上松町、南木曽町、大桑村、王滝村
死者80人、全壊・焼失3100棟
最も被害が大きい場合、死者は約80人、全壊や焼け落ちる建物は3100棟、ライフラインも断水人口が150万人などと大きな影響が見込まれる。
燃料不足も ”被災と支援”で準備を
この被害想定の議論に加わった松本大学の入江教授は、地震の揺れによる被害だけでなく、燃料不足など生活への長期的な影響を指摘する。
松本大学 総合経営学部・入江さやか教授:
「最も大きな南海トラフ地震が起きた場合、石油類の生産能力は半分まで落ちる。その影響は1週間くらいすると、被災地以外にもじわじわと出てくる。ガソリンが入れられない、灯油が買えない、これ冬場は大変なことになる。そういった物流に与える影響が大きくなってくる」
日本全体では、静岡県から宮崎県にかけて震度7を観測し、津波などによる甚大な被害も予想されている。
そうした県は、政府が救助・救援をいち早く差し向ける「優先受援県」に指定されているが、長野県は対象になっていない。
松本大学 総合経営学部・入江さやか教授:
「長野県は自前でしばらく持ちこたえなくてはいけない可能性があることをまず覚えておいていただきたい。長野県は被害がおきたら自力で頑張る被災をする県、それからもう一つ、被害が軽かった場合は救助・救援に行く、支援をする立場にある。この2つの側面でシミュレーションして準備をしておかなければいけない」
超広域的な被害が起きる南海トラフ巨大地震。
「意識を改めて備える必要がある」と入江教授は指摘している。
※この記事は2025年5月17日にNBS長野放送でOAした「減災家族」をもとに構成した内容です。

