近い将来に起きるとされる「南海トラフ巨大地震」の備えについて考える。2025年3月に内閣府が公表した被害想定は、最悪の場合、全国で死者は29万人以上、全壊や焼け落ちる建物は235万棟という甚大なものだった。この被害想定の議論に加わった松本大学の入江教授に、個人・地域に必要な対策を聞いた。
「自宅を安全・安心な場所に」
松本大学 総合経営学部・入江さやか教授:
「個人、家庭で一番大切なのは自宅を安心・安全な場所にすることです。災害にあったからといってみんな避難所に行かなきゃいけないわけじゃない。住み慣れた自宅で安全・安心に過ごせるのが一番いい」
松本大学 総合経営学部・入江さやか教授:
「家を頑丈にする耐震補強(工事)は最近は短時間で、費用を安くする方法も出てきています。また、家全体を補強するというとなかなか大変ですが、1部屋だけ安全・安心な部屋を作っておく。そういう耐震補強のやり方もあります」
耐震と家具の転倒防止で被害7割減
家具の転倒防止や窓ガラスの飛散防止もぜひ実施してほしいということだ。
壁との間をL字金具などで固定したり、天井との間を突っ張り棒で固定する、またガラスには飛散防止フィルムを貼るなどの方法がある。
内閣府は、耐震化と家具の転倒防止が100%実施されれば、揺れによって全壊する建物は128万棟から35万棟に、落下物による死者は5300人から1800人と、どちらも被害は7割も減ると試算している。
避難所の整備で”災害関連死を防ぐ”
それでは、地域で必要な対策は―。
松本大学 総合経営学部・入江さやか教授:
「災害関連死を防ぐことです。避難所の環境の整備が大事になってきます。例えばダンボールベッドを導入する、使いやすい綺麗なトイレの整備、食べやすい温かい食事が提供される。そのために何が大事なのか。それは地域で助け合うこと。いつかやろうではだめです。今日からできることから取り組んでいただきたい」
いつかくる南海トラフ巨大地震。対策は『待ったなし』だ。
※この記事は2025年7月19日にNBS長野放送でOAした「減災家族」をもとに構成した内容です。

