大阪メトロが、去年の大阪・関西万博の来場者輸送のためにEVモーターズ・ジャパン社(以下、EVMJ社)から購入したEVバス190台について、万博終了後の路線バスへの転用を断念した問題で、会社がきょう=17日、購入に至った経緯などをまとめた調査報告書を公表しました。

「万博輸送」と「EV化」という目標を前提に、実績の乏しいEVMJ社のバスを補助金も活用して大量導入したものの、安全性や供給能力のリスク検討・代替案の検討・組織内での情報共有が不十分なまま導入を進めたことが問題だったとしています。

大阪メトロはEVMJ社からEVバス190台を購入しましたが、走行中にハンドルが効かなくなるなどの不具合が相次いだほか、中央分離帯に乗り上げる事故も発生しました。

こうした事態を受けて、万博終了後に予定していた路線バスなどへの転用は取りやめられ、一時、大阪メトロの森之宮検車場には100台以上が停め置かれる事態となりました。

この問題で、大阪メトロは昨年度の連結決算でEVバスについて67億円の特別損失を計上していて、バスの購入当時に社長を務めていた河井英明会長がきのう=16日、事実上の引責辞任を発表しました。

こうしたなか、会社はきょう=17日、調査報告書を公表しました。

報告書によると「社内では大阪の公共交通を担う企業として、自らが万博輸送を担うべきであり、万博輸送は EV バスを使用する必要があるという意識が強固に確立されていた」背景があるなか「国内大手自動車メーカーからの EV バスの調達が難しいと分かった時点で、ディーゼルバスの使用について検討すべきであった」としています。

また、本来であれば少数車両で試験導入し、安全性や品質を確認したうえで段階的に導入すべきだったものの、実際には2035 年度を目途に路線バス全車両を EV 化する中期経営計画があり、万博での実証実験後に路線バスへ転用することが計画達成の手段と位置付けられていたことから100台の一斉導入が進められたものの、それに際して安全上のリスクがほとんど実施されていないことなど、導入段階での検討不足も指摘しています。

とりわけ、子会社の大阪シティバスがEV バスを一斉導入すること自体や、EVMJ社からEVバスを購入することに反対の意向を示していて(最終的に反対は取り下げる)、EVMJ社のバスを検討した3社中最下位の評価としていたことや、仮に導入しても1台程度に限定すべきとの方針を過去に決定していたことも明らかにしています。

最終的に、今回の問題として報告書では「安全リスクに対する認識が不十分だったこと」「会社目標を絶対視し、リスクについての報告が十分なされず、代替案・縮小案の検討がなされなかったこと」と指摘したうえで「会社目標の達成に向け、問題点がある場合にはその判断を見直すことができる組織風土が是正されなかったこと」の3点を問題として挙げています。

そのうえで、問題は、今回特有のものではなく、会社全体における問題であることから、再発防止策の検討委員会を立ち上げて個人の能力に頼らない仕組み化、新技術導入に際して客観的なリスク分析ができる体制づくりなどに取り組む必要があると締めくくっています。

関西テレビ
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