クマ被害の対策です。長野県軽井沢町のNPO法人がクマには開けることのできない構造のごみ箱の販売を始めました。ごみの味を覚えさせず、人里にクマを近づけさせない効果が期待されています。
県内で相次ぐクマの目撃。
県によりますと、5月の人里での目撃件数は119件と、2025年の同じ月に比べ約2倍となっています。
人里に近づけさせない対策として徹底が必要なのが「生ごみ」の管理です。
(記者リポート)
「こちらがクマ対策のごみ箱です。頑丈な金属のごみ箱ですが、クマ対策のための工夫が盛り込まれています」
軽井沢町の別荘地にある緑色のごみ箱。
野生動物との共存に取り組むNPO法人「ピッキオ」が考案したクマ対策用のごみ箱です。
町内では20年以上前から使われていますが、このほど一般販売を始めました。
NPO法人ピッキオ・柳原千穂さん:
「全国的なクマの被害をみると、ごみに餌付かなければ被害も起きなかっただろうという事例もみられた。そいういったところに導入していただければ被害軽減の一助になる」
2000年に町内で撮影されたごみ箱を荒らすクマです。
町内ではこの前の年、クマがごみ集積所を荒らす被害が129件も発生しました。
クマはごみ箱の開け方やごみの味を一度覚えると、強い執着心を持ち、人里への出没を繰り返すようになると言います。
クマ対策用のごみ箱はこうした状況を防ごうとピッキオが2003年に考案したものです。
(記者リポート)
「ふたを開けるには、取っ手に手をかけながらレバーを引く2つ動作が必要で、クマにはこの動作ができないということです」
扉を開けるにはカバーの中に手を入れて、レバーを引かなければいけませんが、体の構造上、クマには不可能だといいます。
北海道の動物園で行われた実証実験でも他の扉は開けられても、このタイプは開けられず、さらに、ごみのにおいが外に漏れないよう隙間をなくし、横倒しにもできないよう設計されています。
実際に、町内でも導入から6年後にはごみを荒らされる被害がゼロになったということです。
NPO法人ピッキオ・柳原千穂さん:
「二十数年たっても、このごみ箱をクマが突破した事例は一度もない」
クマ対策用のごみ箱は1台約68万円から。
自治体のごみ集積所やキャンプ場などへの設置を想定していて、すでに複数の問い合わせが寄せられているということです。
NPO法人ピッキオ・柳原千穂さん:
「ごみに餌付いてしまったクマが近くにいることは、人身事故につながるリスクを飛躍的に上げてしまう。(ごみを適切に管理して)人由来のものを覚えさせないことが大事」
