先月、大阪府和泉市で母親の村上和子さん(76)と長女の村上裕加さん(41)が殺害された事件で、裕加さんに対する殺人の疑いで逮捕された容疑者の男(51)。

男は先月、和泉市鶴山台の集合住宅の一室で、元交際相手の村上裕加さんを刃物のようなもので刺すなどして殺害した疑いがもたれている。

事件発生からおよそ3週間経って容疑者が逮捕されたこの事件。2人の間に何があったのか。

裕加さんの知人によると、男は、裕加さんにおよそ150万円の借金があったことや、借金の最初の返済日が事件の2日後の先月10日だったということが分かった。

事件発生当初から取材している大阪府警担当の小山駿記者が事件の背景を解説する。

■なぜ男が捜査線上に浮上したのか?

男が捜査線上に浮上したのはなぜなのか。

小山駿記者:当初、警察はその知人間のトラブルや金銭の目的など、あらゆる可能性を視野に捜査していました。

警察によると関係者への聞き込みで裕加さんの元交際相手として容疑者が浮上。また、防犯カメラの捜査によって、事件発生時刻とみられる時間帯に現場周辺を徘徊する不審な人物を確認し、容疑者が浮上したということです。

容疑者の自宅と事件現場はおよそ8キロ離れていて、容疑者は自転車で移動したとみられています。自転車では片道40分ほどかかります。

容疑者の自宅と事件現場の位置関係
容疑者の自宅と事件現場の位置関係
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■容疑者は裕加さんからおよそ150万円の借金があったという

容疑者が、裕加さんを殺害した動機や背景には何があったのか。

小山駿記者:警察は動機に関しては捜査中としていますが、取材でいくつかの背景が見えてきました。

裕加さんの知人によりますと、容疑者は裕加さんからおよそ150万円の借金があったということです。

事件のおよそ10日前に2人は別れ、その際に裕加さんが借用書を容疑者に準備をして、容疑者はサインをしたということです。裕加さんの知人によると、返済額は月5万円で、最初の返済日が事件の2日後の先月10日だったということです。

取材に基づく借用書の原案
取材に基づく借用書の原案

■「すんなりと別れられた」と話していたという裕加さん

小山駿記者:また、裕加さんの知人によると、事件発生のおよそ10日前、3月下旬ごろに2人は別れたとみられています。その際に裕加さんは知人に対し、『すんなりと別れられた』と話しているそうです。その際にもめることもなかったということです。

しかし、死亡した裕加さんの顔には殴られたような跡があって、体には10カ所以上の刺し傷などもあったことから、別れ話に恨みを募らせていた可能性は考えられます。

取材によると、事前に裕加さんから警察へのトラブルの相談等は確認されていないということです。

今後の捜査はどうなっていくのか。

小山駿記者:容疑者は裕加さんの母親の和子さんに関しての殺害についても関与ほのめかしています。警察は和子さんへの殺害の関与についても詳しく調べています。

小山駿記者
小山駿記者

■「あってはいけない事件。SOSをどうやって社会が受けとめていくか」

共同通信編集委員の太田昌克さんは、「あってはいけない事件。SOSをどうやって社会が受けとめていくか」が大事だと話した。

太田昌克さん:尋常なる憎悪ですよね。本来は愛情の対象だったんだけどもいつの間に憎しみに変わっているのは分かるのですが、それがおそらく裕加さんが友人の方に『次会ったら殺される』ってSOSを出されていたんですよね。ものすごい切迫感ですよ。

こんなことあってはいけない事件。何かできたんじゃないかなっていうのが残念でなりませんよね。事件の動機・背景をしっかり解明すること。これからこんな惨劇を生まないためにSOSをどうやって社会が受けとめていくか。

警察に相談するハードルは高いかもしれないけど、ここまで切迫感があったら相談してもらいたい。あるいは行政に対応、NGOもDV対応ありますから、社会がどうやって救済していくかがこの2人の命を無為にしないことかと思います。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月4日放送)

太田昌克さん
太田昌克さん
関西テレビ
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