旭山動物園の飼育員の男が妻の遺体を焼却した疑いで逮捕された事件で、男の元同僚は「飼育員は夜間でも園内に入れる」などと証言しました。
立場を利用した犯行だった可能性もあります。
2日遅れの開園となった旭山動物園。
大型連休後半は多くの来園客でにぎわっています。
動物たちの様子を楽しむ一方で、来園者が気にしていたのは…
「事件があったのでやるのかどうか、2日延びたがきょうやっていたのでよかった」(名古屋からの来園者)
「鈴木容疑者が出てきました」「フードをかぶってうつむいたまま表情は見えません」(東木場緋香記者)
死体損壊の疑いで逮捕、送検された旭山動物園の飼育員・鈴木達也容疑者は、3月31日ごろ、園内の焼却炉で妻の由衣さんの遺体を焼却するなどした疑いがもたれています。
「妻は灰になった」「2時間以上燃やした」(鈴木達也容疑者)
捜査関係者によりますと、事件当日の午後9時ごろ、職員用の通用門近くで車から大きな荷物をおろす鈴木容疑者の姿が防犯カメラに映っていたことが分かっています。
警察は、この時に遺体を園内に運び込んだ可能性があるとみて調べています。
夜間の動物園の警備体制について、鈴木容疑者の元同僚は園内への出入りは可能だったのではと話します。
「管理職員は出入りできないが、飼育職員であれば出入りはできると思う。守衛に何かの理由で夜間に出勤してきた旨を告げて犯行に及ぶのが自然に思う」(元職員)
また「まじめ」という評価が聞かれる鈴木容疑者ですが、職員の間では勤務態度の評価は分かれていたと言います。
「一つのことに集中することは得意なので(生態への探求、趣味の切り絵など)その様子が真面目に見えることもある。しかし、ちょっとでもめんどくさくなると急に全部放り出す。園内の委託業者には横柄であったり、真面目に働いていない姿も晒(さら)していた」(元職員)
捜査関係者によりますと、鈴木容疑者は逮捕後の調べで、妻との生活に不満を感じていたと供述していたことが新たに分かりました。
夫婦間の不満を口にする鈴木容疑者ですが、近所に住む人たちの印象は全く違うものでした。
「1階の屋根に上がって2人で屋根を点検して仲良くしていた。焼き肉やっていたときもあったな。仲は良いと思いました」
「(Q:2人の雰囲気は?)仲のよさそうな雰囲気。奥様は感じよさそうで、ご主人も優しそうなタイプだった」(いずれも 近くに住む人)
職場でも私生活でも正反対の評価があった鈴木容疑者。
夢だった飼育員として働いていましたが、こんな一面も。
「皆さんはレッサーパンダの事、可愛いって言いますが、僕はレッサーパンダは腹黒くて嫌いです、と言っていた」(鈴木容疑者の働きぶりを知る人)
調べに対し鈴木容疑者は、由衣さんの殺害についてもほのめかしています。
警察は園内から由衣さんのものとみられるスマホを押収していて、夫婦間のトラブルを詳しく調べています。
そして、犯行当日とみられる3月31日頃の鈴木容疑者の行動が徐々に明らかになってきました。
3月31日は旭山動物園の冬の営業期間中で、営業時間は午前10時30分から午後3時30分まででした。
来園者は正門、西門、東門の3か所から出入りしていましたが、事件当日の夜に動きがあったのは、これらとは別の「通用口」です。
旧東門を転用したこの通用口は職員専用で、一般の人は出入りすることができません。
捜査関係者によりますと、31日の午後9時ごろ、この通用口付近に車が到着。鈴木容疑者が車から大きな荷物を降ろしている様子が、園内に設置された防犯カメラに捉えられていたことがわかりました。
鈴木容疑者はここから別の車に荷物を移し替え、焼却炉がある建物まで運んだとみられています。
夜間のセキュリティについて、旭山動物園の元職員によると「通用口のゲートには守衛室があり、警備員が常駐していた」といいます。
また、焼却炉がある建物は動物病院となっていて、飼育員であれば出入りが可能。施錠されている時とされていない時があった、と元職員は話します。
鈴木容疑者は飼育員としての立場を利用し、園内のセキュリティの状況を熟知したうえで犯行に及んだ可能性があり、警察が詳しい経緯を調べています。