「学びたい、やってみたいことがある学校に」そんな願いのもと、子どもたちは自らスケジュールを立て、主体的に学習に取り組んでいる。宮崎市内の小学校で進む、午前中に5時間の授業を終える「午前中5時間授業」の導入。画一的な教育から、子どもたちが自ら学ぶ「自律型」の教育へ、現場の試行錯誤と未来を見据えた小学校の姿を追った。

4年前から導入された学校独自の取り組み

宮崎市立宮崎小学校では4年前から「午前中5時間授業」を導入している。これは市の教育委員会が主導するものではなく、学校独自の取り組みだ。

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以前は1日5時間の授業がある場合は、1教科45分で午前中に4時間、給食、昼休みを挟んで午後に5時間目の授業を行っていたが、現在は1教科の授業時間を5分短縮して40分とし、午前中に5時間を詰め込み、午後0時20分に給食、その後、下校する。

「午前中5時間授業」の導入について、同校の牧野校長に話を聞いた。

宮崎小学校 牧野宏紀校長:
授業時間が少し短くなることで「集中力が増す」というのが一番の理由。また、下校時間が若干早くなるので、放課後の時間が充実する。教職員にとっても、子どもたちが帰った後の時間を情報共有や教材研究など、子どもたちのために充てられるようになる。そうしたメリットがあり、導入した。

現在、宮崎市内では小学校46校のうち12校が「午前中5時間授業」を導入している。一方で、給食が遅くなることにより子どもが体調不良を訴えるなど、様々な理由から「午前中4時間授業」に戻した学校もあるという。

「午前中5時間授業」について、5年生の児童は「お腹が空いたなとか考えないで、いつも先生やみんなと楽しく授業を受けている」「朝からいっぱい食べてるからあんまりお腹が空かない」と話す。

宮崎小学校 牧野宏紀校長:
学習の落ち着きや取り組みについては効果が上がっている。下校後に公園で遊ぶ子も増えた。先生たちも落ち着いて仕事ができるようになり、非常に効果的だと感じている。

進められる特色ある学校づくり

現在、宮崎市では「午前中5時間授業」に関わらず、小学校ごとに授業内容や行事などを見直す「特色ある学校づくり」が進められている。

宮崎市教育委員会学校教育課 中倉信博課長:
市教委としては「自律型の子どもの育成」を目指している。「子どもたちの学びやすさ」を合言葉に、授業の考え方そのものの転換を図っている。
宮崎小学校でも探究学習をはじめとした特色ある授業や学校づくりに積極的に取り組んでおり、授業時間や内容を柔軟に調整できる学校として、文部科学省から指定を受けている。

牧野校長は「受け身の学習だけでは子どもたちにとっては楽しくない。学習する内容や時間、手段を自分で選び、自分で決め、スケジュールも決める。“学びたい、やってみたいことがある学校に”というのが一番の狙い」と話す。

児童たちも「授業に真面目に取り組んで、ノートとかしっかり書いて集中できてるなと思う。自分で自主的に学習するところは楽しい」「先生が『間違っててもいいよ』『チャレンジしてください』と言ってくれるので、発表しようという気持ちが湧く」と、前向きな姿勢を見せている。

また、市教委の中倉課長は「未来に向けた教育へ変わっていくということを保護者や地域と共有し、地域をあげて自律型の子どもを育てることが重要になる」と話す。
これまで画一化されていた公立小学校での教育が、今未来に向かって多様で豊かな学びに変わろうとしている。

宮崎小学校 牧野宏紀校長:
これだけ子どもも保護者も多様化している中で、同じことをみんなに強要するというのは限界が来ている。自分で獲得しに行く場面を作るというように、みんな動き始めている。

公立小学校の教育は、子ども一人一人の個性を尊重する多様な学びの場へと進化している。保護者や地域とビジョンを共有しながら、子どもたちが自ら考え、学びに向かう「未来の学校」づくり。その挑戦は、宮崎の教育のあり方を大きく変えようとしている。

(テレビ宮崎)

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