京都府南丹市で3週間を超える捜索の末、遺体で見つかった11歳の安達結希さん。
死体遺棄容疑で逮捕された父親が、殺害についても関与を認めていることが分かりました。
午後4時ごろ、安達結希さんの遺体が発見された京都・南丹市の山林の規制線が解かれ、初めてその場所へと入ることができました。
現場は園部小学校から南西に2kmほど離れた、田んぼ脇の山林。
奥へと進むと、分かれ道があって少し開けた空間があります。
これまでの取材では、この辺りで安達さんの遺体が発見されたということが分かっています。
捜査関係者によりますと、結希さんが登校していないことを学校が自宅に連絡をした際、父親の安達容疑者だけがなぜか結希さんが学校に来ていないことを知っていたという印象を受けたといいます。
このようなことなどから安達容疑者の関与が疑われる形になりました。
結希さんの行方が分からなくなって4日目の3月26日。
自宅では父親の安達容疑者の立ち会いのもと捜索が行われていました。
また、一方で安達容疑者は自らビラ配りをするなど結希さんの捜索活動をしていました。
ビラを張っていた店の店員:
「テレビとかニュースで報道されている子どもなんですけども、これ張らせていただけませんか」って持ってこられました。(その人物は)すごく優しそうな感じ。もし本当にその人がお父さんで、本当に事件に関わっていたら本当に腹が立ちますけど…残念です。
また、別の店舗からは「31日のお昼過ぎかな?あとから思ったらすごく落ち着いてらっしゃったと思う。人ごとみたいにとれたので、ちょっと不思議でした」といった証言も。
さらに取材を続けると、捜索協力を求める親族とみられる男の姿に違和感を覚えたという声が続々と。
結希さんの行方が分からなくなってから、幾度にわたり捜索活動を行ってきた地元消防団長は…。
南丹市消防団・野中大樹団長:
ご両親の印象については何回もコメントしているが、ご両親ともども、一刻も早い発見をお願いしますと、両親ともそういう思いだと感じていた。疑念は一切持っていなかった。消防団員が集まっている中で、父親が「ご迷惑おかけしていますが、よろしくお願いします」(と挨拶)。
安達容疑者の逮捕を受けた思いについては「常にお子さんを捜してほしいと思う姿と受け止めていた。裏切られたというか、なんともいえない」と話しました。
警察の調べに対し、結希さんの遺体を遺棄したことを認め、殺害についても認める供述をしているという安達容疑者。
では、なぜ3月23日行方が分からなくなった当時、安達容疑者は、自ら警察に通報しビラ配りなどの捜索活動を行ったのか。
その心理状態について犯罪心理の専門家は…。
明星大学 心理学区部・藤井靖教授:
今回の犯行の全体は計画的ではなく、突発的(の可能性がある)なことからすると、自分で通報したという行為は容疑者が犯罪を隠蔽(いんぺい)するためのストーリー作りの1つと考えるのが自然。つまり自分はあくまでも加害者ではなくて、不明になった児童の保護者であると、心理的な防衛機制だと。
藤井教授は、突発的な犯行に及んだ安達容疑者が加害者から被害者へと立場を変えたいという、自己防衛ゆえの行動ではないかと指摘。
容疑者が行った「ビラ配り」も同様の行為だといいます。
明星大学 心理学区部・藤井靖教授:
自分が犯罪を犯したことは自分がもちろん分かっているべきだが、そうじゃない自分を作り上げるために、まず何ができるかを考えた結果が、通報したりビラを配ったりということだったと思う。
一方で、通学リュックや靴を置いたことについては“犯行の発覚を遅らせたい”という捜査のかく乱を狙った典型的な行動パターンだと指摘。
しかし、今回のケースで特徴的なのは遺体を複数回移動させ、埋めるなど隠す行為がなかったこと。
これは、容疑者が精神的に錯乱状態に近かったのではないかと指摘します。
藤井教授は「複数回遺体を移動させたとすれば、よりリスクが高まる行為。(加えて)埋められてなかったという状況からすると、ある種の錯乱状態になっていて、特に隠すとあ偽装するとか、そういう意図ではなく、とにかく自分から距離を離したかっただけだと」と話しました。