仙台市は2031年度の開館を目指す、音楽ホールと震災メモリアル拠点の複合施設について、4月14日、「基本設計」を発表し、年間の経済波及効果をこれまでの見込みから、およそ40億円増額した87億円に引き上げました。一方、総事業費は、当初の案よりも300億円多い646億円で変更はないとしています。

仙台市 郡市長
「青葉山エリアの立地を生かして周辺施設や観光施策と連携を図るなど、大きな観光客なども呼び込めると踏んで来場者数、宿泊者数の拡大につなげて、より大きな経済効果が生まれる」

仙台市は地下鉄東西線の国際センター駅の北側に、2000席規模の音楽ホールと東日本大震災のメモリアル拠点の複合施設を建設する予定です。

仙台市が14日に発表した「基本設計」では、去年11月に示された中間案から市民などの意見をもとに、施設内の段差の解消や、エレベーターを大きくするなど、バリアフリー化を進めたほか、楽器などの搬入経路が見直されました。

また、青葉山エリアの立地を生かした観光施策との連携などで、県外からの来場者数や宿泊者数の拡大が見込めるとして、年間の来場者数の見込みを去年の中間案からおよそ18万人増やし、「72万人」に修正しました。

そして経済波及効果もおよそ40億円増額した「87億円」に引き上げました。

一方、総事業費に関しては…。

仙台市 郡市長
「実施設計に入る段階の中でさらに精査していきたいと思う。事業費が変動すると仮定したとしても、理解してもらえるようにしっかりと抑えるところは抑えていかないといけないと思っている」

当初の案よりもおよそ300億円増額された「646億円」のままでした。

事業費の増加をめぐり、仙台市議会の2月定例会の委員会では、「事業費削減や市民への丁寧な説明が必要」とする付帯意見が可決されていました。

仙台市は施設の概要や費用などについて、5月13日と23日に市民向けの説明会を開くほか、6月6日には郡市長が参加するシンポジウムを開く予定です。

仙台市は、複合施設に関して、2028年度の着工、2031年度の開館を目指しています。


改めて、4月14日に基本設計が発表された複合施設の事業費の推移について見ていきます。

「建設工事費」は基本構想では336億円、今回の基本設計では「582億円」となり、246億円増額しています。

また「設計・監理費」も増額しているほか、文化財の調査や備品代の「関連整備費」34億円が基本設計に追加されたことで、事業費は基本構想の350億円から「646億円」に増額しています。

この財源について仙台市は管理運営指針の中で、「国庫補助金の活用の検討を進めるほか、地方財政措置制度のある地方債の活用やふるさと納税による資金調達など、実質的な仙台市の財政負担の軽減を図っていく」としています。

続いて、施設が完成したあとの収支についてです。

仙台市によりますと、年間の支出額の想定は「18億円」。

内訳は維持・管理費や人件費などとなっています。

一方、収入の見込みについては「4億円」で、内訳は施設の使用料収入やチケット販売などの事業収入がそれぞれ2億円で、このほか「協賛金や寄付金の獲得」も見込むとしています。

支出の想定額から収入の見込み額を差し引いた、この「14億円」は毎年、市民の税金などからまかなうことになります。

仙台放送
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