春の雷はなぜ突然鳴る?「頭でっかち」な空が引き起こす急発達の秘密。夏とは違う発生の仕組みを解説
テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」で天気情報を担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「虫出しの雷」をテーマにお伝えします。
12日午後、宮崎県内各地で天気が急変し、山沿いを中心に雨雲が急発達しました。西から流れてくる雨雲ではなく、その場で「ぶわっ」と発生するパターンは、積乱雲が発達している証拠です。

こうした季節の変わり目に鳴る雷には、風情ある呼び名があるのをご存知でしょうか。この時期の雷は「虫出しの雷(むしだしのかみなり)」と呼ばれています。古山予報士は、今の時期ならではの気象知識を解説してくれました。

現在は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」にあたります。啓蟄とは、冬ごもりをしていた虫たちが地上に這い出てくる頃のこと。この時期に鳴る雷の音にびっくりして、虫たちが飛び出してくると考えられたことから、このように呼ばれるようになりました。今回、古山予報士は、雷に驚いて飛び出してきた可愛らしいテントウムシのイラストを披露してくれました。「この雷が多くなるということは、季節が着実に進んでいる証拠なんです」と古山予報士は話します。
なぜ春に雷が発生しやすい?「頭でっかち」な空の正体
雷といえば夏の「夕立ち」をイメージする方も多いかもしれません。しかし、春の雷には夏とは異なる特徴があります。

夏の雷は夕方に多いのに対し、春は1日を通して発生しやすいのです。その理由は、「冬と春の空気が混在していること」にあります。
冬から春に移り変わる時期、地上付近は「春の温かい空気」に包まれている一方で、上空にはまだ「冬の冷たい空気」が残っていることがあります。
空気には「暖かいと軽く、冷たいと重い」という性質があります。そのため、下に軽い空気、上に重い空気がある状態は、いわば「頭でっかちのグラグラ状態」。非常に不安定な空気の層になっているのです。
この不安定さを解消しようとして、下の暖かい空気が上へ、上の冷たい空気が下へと移動することで激しい上昇気流が起き、雷雲が発達しやすくなります。
「虫出しの雷」という言葉を知ると、突然の雷雨も季節が冬から春へとバトンタッチしている合図のように感じられるかもしれませんね。空のグラグラ状態が落ち着く頃には、本格的な春がやってきそうです。
(テレビ宮崎)
