「異色のフェス」が開催

フジロック、サマーソニック、ロック・イン・ジャパン。

音楽にそれほど興味がなくても名前くらいは聞いたことがあるという人も多いだろう。

「フェス」と呼ばれる音楽の祭典。その時期になると、友人の投稿によってSNSのタイムラインがそれ一色になってしまうという人が続出するほど熱量の高いイベントだ。

大小さまざまな音楽フェスが日本各地にあるが、「街中音楽フェス」を掲げる異色のフェスが5月13日、“東洋一の歓楽街”と謳われることもある新宿・歌舞伎町で開かれた。
 

 
 
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1960年代のアメリカが起源とされる音楽フェス。日本では、1997年のフジロックフェスティバルが全国に広がる契機となった。

第一回のフジロックは、大型台風の影響で横殴りの暴風雨のなかでライブが敢行され、3万人の参加者に強烈な印象を残したことも、日本の音楽史の転換点として語り継がれている。

身近な音楽で、非日常を楽しむ。

それが音楽フェスの魅力だと語る人も多い。地方にとっても、短期間で大人数を集客できる音楽フェスは観光資源として魅力的だ。そのため、地域が一体となって協力体制を構築し、「非日常の音楽空間」を作り出しているところも増えている。

ただ、音楽の文化が根付いていない場所に、「非日常の音楽空間」を急に作り出すのは容易ではない。

「音楽」が文化や娯楽として根付いていて、「非日常」を作れる場所。そこに名乗りを上げたのが、新宿・歌舞伎町だった。
 

 
 

ネオンが煌めき、「不夜城」と言われるほど様々な娯楽に溢れた歌舞伎町には、ライブハウスも多数存在している。

そこで、歌舞伎町のライブハウスと地元商店街が結集。「歌舞伎町の音楽シーンを盛り上げて、歌舞伎町のエンタメカルチャーを更に元気にしよう」と呼びかけ合い、2014年に「街中音楽フェス」として、「CONNECT歌舞伎町MUSIC FESTIVAL」を初めて開催した。

この時は、歌舞伎町のシンボルである「シネシティ広場(旧:コマ劇前広場)」に野外ステージを出現させ、合わせて6つの会場に69組のアーティストが出演したという。

3年間の充電期間を経て2017年には2回目の開催。103組のアーティストが名を連ね、様々なジャンルのライブで盛り上がった。

そして、2018年5月。根強いファンたちと地元の要望を受け、再びCONNECT歌舞伎町が開かれた。
 

 
 

「非日常」に彩を添える音楽とドリンク

3回目となるCONNECT歌舞伎町。会場は10か所に増加し、アーティスト数も121組となった。第一回から2倍近く増えたことになり、歌舞伎町全体が熱気に包まれているようだった。

ライブ会場では、スターバックスの人気商品「スパークリング リフレッシング テイスト(ノンカロリー)」と「スパークリング ピーチ スプラッシュ(ローカロリー)」が無料で配られた。
 

 
 

この商品はコーヒーチェリー由来のカフェインが含まれることから、スッキリした味わいが楽しめると2月の発売以来、大きな話題に。

厳選された素材が使われているうえにボトルがスタイリッシュなことから、クリエイターやタレント、オフィスワーカーなど情報感度の高い人を中心に注目が広がっている。

手に取るだけで気分が上がるドリンク。音楽好きの参加者たちもボトルを次々と手に取り、イベントを楽しんでいた。
 

 
 

121組のアーティストによるライブは午前11時30分から夜22時まで続き、会場は常に興奮状態。来場者に感謝の気持ちを述べるマイクパフォーマンスもあちらこちらで聞かれた。

「あすもあさっても、厳しい毎日が待っているという人がいるかもしれません。でも、こういう楽しいことがあるから頑張れる。厳しい毎日も、楽しい日が待っているから乗り越えられる。ぜひ楽しんでいってください」

そんな言葉で感謝を伝えたアーティストは大きな拍手を受けていた。来場者と一緒に「非日常の空間」を作る。そんな空気がCONNECT歌舞伎町の全体を覆っていた。
 

 
 

新宿という、通勤や買い物などで“いつも通う街”に作られた「非日常」の街中音楽フェス。今回の盛り上がりを受け、来年以降もますます注目度が上がりそうだ。