9割「持ち帰り賛成」なのに実際は2割未満

2月の節分に向け、予約が本格化する中、毎年問題となってきたのが恵方巻の大量廃棄。
農林水産省の調査によると、国民1人あたり、1日にお茶碗一杯分の食品ロスを出ているという。

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こうした中、消費者庁は1月21日、外食時の食べ残しに関する調査結果を発表。
食べ残したものを持ち帰ることに、約9割の人が賛成する一方、過去1年間に実際に持ち帰った人は、2割に満たない結果となった。
そこで、ニュースのミカタは、「食品ロスが深刻化、外食時の食べ残しどうする?」について迫る。

店側は衛生管理を考慮し断るところが多い

訪れたのは大盛りで有名な豚丼店。食べきれない客のために、持ち帰りを考えたこともあると言うが…

豚大学 神保町校舎・小川勝也マネージャー:
残していただいたお客さまには持って帰っていただきたいのはもちろんなんですけど、お客さまが持ち帰ってお召し上がりいただくまでの時間が私たちには責任が取れませんので、衛生管理上の問題でお断りさせていただいている。

食品衛生法では持ち帰りを禁止する規定が無いのにも関わらず、食の安全を保証できないことから、持ち帰りを禁止にしているという。
こうした状況について、専門家は…

食品ロス専門家 井出留美:
お店が万が一の食中毒の発生などを懸念したり、なにがあったらお店の評判とか、お店の売上っていうのが失われてしまうっていうのを心配してやらない。本来は持ち帰る側の自己責任なんですよね

本来、外食で食べ残した食品の品質の管理については、持ち帰る側の自己責任だという。

持ち帰りできることが知らない、そもそも抵抗ある人も

一方、食品ロスを減らすため持ち帰り可能にしたお店にも、ある悩みが…

炭火 焼きとん 焼き鳥「出陣」・ 小池秀平オーナー:
お店に「食べ残し持ち帰りどうぞ」というのを貼るのもおかしいかなと思っているので、基本は残さないで召し上がって頂きたいというのが本心ですね。

持ち帰りができることを知らせる術がわからず、実際、持ち帰る人は、月に1人か2人程度だという。
実はあまり知られていないものの、大手居酒屋チェーンの和民も、一部店舗で食べ残しを持ち帰ることが可能。

しかし街では、外食での持ち帰りについてこんな声も…

女性:
持って帰る行為が恥ずかしい。

女性:
ちょっと恥ずかしいイメージがあります。

食べ残しを作らないための工夫

そこで、民間のドギーバッグ普及委員会が提案するのが、自己責任で持ち帰ることが可能と店側が意思表示をするステッカー。

持ち帰りたくても持ち帰れない状況に街ぐるみで対策をするところもある。
埼玉県・所沢市の飲食店に貼ってあったのが、「宴会のお開き15分前は食べきりタイム」という、食べ残しをなくすことを提案するポスターが貼られている。

さらに、食品ロスゼロのまちを掲げ、お店でもこんな対策が…

炭火やき鶏 むさしや・大野慎一店長:
食べ残しに関しては、みなさん持ち帰っていただくような形でやっていますね。

取材中にも食べ残した焼き鳥を持ち帰る人がいた。

男性客A:
マスター、お持ち帰りで。

男性客B:
残ったものを持ち帰ってまた食べられるって最高だよね。

専門家「日本では食べ残しの持ち帰りは十分に普及していない」

日本での食べ残し持ち帰りについて専門家は…

食品ロス専門家 井出留美:
日本では、食べ残しを持ち帰るっていうことは、まだまだ十分には普及していないです。
消費者が適量注文して、お店の人も食べきれる量を提供する。そうすれば食べ残すこともなく、持ち帰る必要もないということになります。
一緒に同時に変わっていく必要がありますよね。そうでないと、全体が変わっていきづらい。

食品ロスで問題となっている恵方巻についてコンビニ各社は原則、予約販売をして対応するという。

(「めざましテレビ」1月23日放送分より)