スマホの長時間利用でツノが生える?
スマートフォンやタブレット端末を長時間使用する若者にとって衝撃的なニュースが飛び込んできた。
それは「スマホの使いすぎで若者の頭蓋骨にツノが生える」というもの…
街で若者に聞いてみると「え~ちょっとイヤですね」「ある意味進化なんじゃないですか」といった声も。
そこでめざましテレビ「ニュースのミカタ」では、その真相に迫ってみた。
この衝撃の研究結果を発表したのはオーストラリアにあるサンシャインコースト大学の研究チーム。
18歳から30歳の218人をレントゲン撮影したところ、41%の人に最大3.5cmほどの突起物が確認されたという。
突起物とは誰もが後頭部の中央あたりにある「外後頭隆起」。通常は5mmほどだという。
研究チームが公開したエックス線写真には、確かに後頭部にツノのような3cm近い突起物が確認できる。
研究結果はさらに「18歳から86歳まで行った2回目の調査でも、若い世代で多く突起物を確認」「長時間前かがみの姿勢を続けることで機械的ストレスを受ける」「スマホなどの使用に伴い異常な体勢が続くことによって外後頭隆起につながっているのではないか?」というものだった。
若者は40代より2倍長時間?スマホの使用実態
では日本の若者はどんな体勢でスマホを使用しているのか東京・渋谷で10代、20代の若者を観察してみた。
一人の男性はかなり猫背な状態で、斜め45度下を見ながらスマホを操作している。
20代男性:
ツイッター見てました。20分くらいは見てるかな。体によくないのかな~
別の男性はあごを引いて首を折るようにして、ほぼ真下のスマホを見ている様子だ。
20代男性:
今ゲームしていました。長い時でふつうに1時間とか…
では渋谷の若者は普段どれくらいスマホを見ているのか?
20代女性:
休みの日とかは全然3~4時間とかYouTubeを見たり…
20代男性:
暇さえあれば見てる。5~6時間とか見てるんじゃないですか
めざましテレビの調べでは、1日にスマホを使用する時間について新橋の40代以上の人と比べると、新橋の40代が平均2時間17分だったのに対して、渋谷の若者は3時間以上長い平均5時間40分だった。
ツノは頭を支える筋肉が石灰化したもの?
では本当に「長時間での前かがみスマホ」によって突起物が大きくなることはあるのだろうか?
オーストラリアの大学による研究結果について東京・大田区にある脳神経外科の眞田祥一院長は…
眞田クリニック脳神経外科 眞田祥一院長:
外後頭隆起のところに項筋という頭を支える強い筋肉がある。その項筋が長時間スマホをすることで石灰化する可能性はあります
スマホを使用するため長時間下を向くと伸びた状態だった項筋が硬くなり、石灰化したものが突起物となることも考えられるという。
またパークサイド脳神経外科クリニックの近藤院長も「骨が長時間引っ張られたことで剥がれた腱を補修するカルシウムが突起物に変化する可能性はある」という。
パークサイド脳神経外科クリニック 近藤新院長:
ただスポーツ選手が常に同じ姿勢で同じ動きをして骨に繰り返し繰り返し負担がかかった結果としてできるものなので、スマホをやり過ぎたからと言って、そこまでの負担がかかるとは考えられないですけどね
スマホ長時間利用に伴うリスク
と、ツノが生えるとの研究結果について疑問視する声もあるが、若者が前かがみで長時間スマホを使用すると悪影響があると専門家は口を揃える。
パークサイド脳神経外科クリニック 近藤新院長:
一番多いのはスマホ首と言われる頸椎と言う首の骨が通常とは違う形になってしまうという症状です。 首の骨と言うのは本来7つあって前側に出っ張るかたちでゆっくりとしたアーチを描いて並んでいるのが普通ですが、その並びが無くなって直線のようになるストレートネックという状況になりやすくなります。一番多いのは肩こりですね
さらにこんな症状も…
眞田クリニック脳神経外科眞田祥一院長:
スマホの使い過ぎは神経痛だとか頭痛の原因になるでしょう
スマホの使いすぎで疲れた時に効果的なストレッチとは…
その眞田院長によると長時間スマートホンなどを使用して疲れを感じた時に効果的なストレッチがあるという。
まず片手で首を片側に倒し、もう片方の手のひらが後ろを向くよう伸ばして…
そのまま手のひらを後ろ側から裏返すように上に向けた状態を10秒間維持するというもの。
これを左右交互に行う。あくまでも伸ばした手を前向きではなく後ろ向きに裏返すのがポイントだ。
(「めざましテレビ」6月28日放送分より)