ロシア軍がウクライナに侵攻してから、4月24日で2カ月。鹿児島・鹿屋市と垂水市で、ウクライナの平和を願い活動している人たちを取材した。
鹿児島テレビに届いた1通のメール。
「鹿屋市にウクライナカラーで『世界に平和を』とメッセージが書かれた旗を自転車につけて、走っているおじさんがいます。格好つけず自分にできる事をされているようです。ぜひ番組で取り上げてください」
この記事の画像(14枚)鹿児島テレビはいただいた情報を元に、その男性を探すことにした。
ウクライナカラーの旗を持ち、毎日走る
春山たかよリポーター:
この辺で、ロシア軍の侵攻に対して抗議している男性がいると聞いたんですが…
住民:
知らない
住民:
畳屋さんとかに聞いてみたら
教わった畳店に行ってみた。
畳店の夫婦:
知ってますよ。自転車に旗を立てて。ウクライナの国旗の色と「戦争反対」って
畳店の夫婦が、男性のことを知っていた。
畳店の夫婦:
ゴミとか拾っていってくれる。もう徳を積んでいらっしゃる
男性の自宅まで案内してもらった。
畳店の夫婦:
あの旗
春山たかよリポーター:
本当だ、ウクライナカラーですね
畳店の夫婦:
今、温泉に行っているかもしれない
待つこと30分、黄色と青のTシャツに身を包んだ男性が帰ってきた。朝部綾男さん(76)だ。
自転車で戦争に抗議 朝部綾男さん:
髪の毛の先にも満たないことだけど、ちょっとでも回ってみようかと思って
朝部さんは、テレビに映し出されるウクライナの様子に胸を痛め、地元の印刷会社に特製の旗を注文し、3週間ほど前から1人で抗議を続けている。
雨の日と風が強い日以外は毎日数時間、自転車を走らせ、戦争反対を訴える。自転車のカゴもウクライナカラーだった。
自転車で戦争に抗議 朝部綾男さん:
皆さん一人一人が戦争、平和について考えていると思うが、大変な思いをされているウクライナの方々の気持ちになれば
署名に募金活動 避難者への住宅準備「できることは何でも」
垂水市では、4月1日に発足した「ウクライナを支援する垂水市民の会」が、町内会や職場ごとに署名を集めている。
署名を持ってきた人:
みんな関心があるみたいです。戦争を体験した方もいるので
募金活動も行っていて、予想以上に集まり、募金箱は1週間でいっぱいになったという。
ウクライナを支援する垂水市民の会 発起人・井上辰己さん:
(募金箱が)まだまだ足りない。追加分をお願いしている
集まった抗議の署名はロシア大使館へ、募金はウクライナ大使館へ届けることにしている。
また垂水市では、市営住宅15戸をウクライナから避難してきた人のために準備している。
垂水市・尾脇雅弥市長:
衣食住、できるだけ支援させてもらいたい。言葉の壁やいろんなものがあると思うが、民間の人も頑張っているので、しっかり連携して。できることは何でもやりたい
垂水市は1975年に終わったベトナム戦争の時にも、難民51人を受け入れていたという。ウクライナの平和を願い、それぞれの立場で、できることが続けられている。
(鹿児島テレビ)