現職の首相が史上初めて出席した、2月29日の政治倫理審査会(政倫審)。
岸田首相は少し顔に笑みを浮かべながら会場に向かい、午後2時すぎに政倫審が始まった。

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岸田首相は“裏金事件”をめぐり、冒頭で「政治不信を引き起こしていることに対しまして、自民党総裁として心からおわびを申し上げます」と謝罪。

また「自民党は自らを変えなければならない。私自身、自民党改革、政治改革の先頭に立って、この改革を進めていく覚悟であります」とも述べた。

政治家も責任をとる“連座制”の導入は

質問のトップバッターは、身内である自民党の鷲尾議員。秘書と共に、政治家も責任をとる“連座制”の導入を迫った。

自民党 鷲尾議員:
政治家が一大事に臨んでですね、秘書に責任を押しつけるようでは信頼が成り立たないと。連座制についての考えをですね、総裁からお聞かせいただきたいと思います。

岸田首相:
一定の悪質な場面においては、会計責任者のみならず、政治家本人も責任を負う。こうした法改正を行うことが重要である。

政治資金規正法の改正に、前向きな姿勢を見せた岸田首相。
注目の政倫審の中継を、議員たちはさまざまな場所で見守った。

続いて質問に立ったのは、立憲民主党の野田元首相。

立憲民主党 野田元首相:
裏金に関わった議員は全員、重たい政治責任があると思います。刑事事件にもならない、責任を問われない、説明責任を果たさない、税金も払わない、処分もない。なんにもないんだったら同じことがまた起こりますよ。処分を考えるべき時期ではないですか。

岸田首相:
政倫審の場においても、説明がこれから行われます。事実の状況もしっかり踏まえながら、党として処分をはじめとする政治責任についても、判断を行ってまいります。

「やらないと言ってください」元首相が現役首相を追及

さらに、野田元首相は、岸田首相が2022年に7回の政治資金パーティーを開いたことを問題視。

立憲民主党 野田元首相:
在任中はもう、政治資金パーティーはやらないと明言できますか?。

岸田首相:
今後については、ご指摘等も踏まえて適切に判断をいたします。

立憲民主党 野田元首相:
政治資金パーティーはやらないと明言できないんですか?。

岸田首相:
内閣総理大臣として、パーティーを開催すること、これは今は考えておりません。

立憲民主党 野田元首相:
今は考えてないったら、ほとぼりが冷めたらやるってことじゃないですか、やらないと言ってください、在任中は。

岸田首相:
結果的に在任中はやることはないと考えております。

3回聞かれて“在任中の政治資金パーティーはしない”と明言。

こうした様子を見ていた街の人からは…
「総理がキレて『俺が出る』っていう感じになったらしいけど、強い信念とかなさそうなんだよね。どう決着つくんだろうね。それだけは楽しみだね」
「政倫審やって意味があるのかどうか。まともなこと言ってないでしょうね。政倫審じゃなくて証人喚問してほしいですね」といった声が聞かれた。

元総務相が謝罪も二階氏は出席せず

岸田首相に続いて政倫審に臨んだのは、二階派の事務総長を務めていた武田元総務相。

自身の裏金は総額1926万円で、二階元幹事長の裏金は自民党でトップの3526万円。

二階派事務総長 武田元総務相:
多くの国民の皆さまの政治不信を招くに至ったこと、本当に申し訳ございませんでした。

深く頭を下げた武田元総務相。その後もはっきりとした口調で話すが、手元を見ると、緊張のためか、紙を持つ手が震えているようにも見える。

なぜ、二階氏が自ら説明しないのかと問われると…

二階派事務総長 武田元総務相:
二階俊博代議士は、まぎれもなく派閥の象徴であります。しかしながら、一切事務・経理などに関わることはなく、経理だけについては事務局長に全て任せていたという状況であります。

政倫審は3月1日も開かれ、安倍派の幹部4人が出席する。
(「イット!」2月29日放送より)