大分県大分市で2021年に発生した時速194キロの車による死亡事故について、危険運転を認めた一審判決が控訴審判決で破棄されたことなどを受けて遺族は23日、最高裁への上告を福岡高検に求めるオンライン署名を始めました。
この事故は2021年2月、大分市大在の県道交差点で右折車を運転していた大分市の会社員小柳憲さんが時速194キロで直進してきた車と衝突し亡くなったものです。
検察は当初、直進車を運転していた当時19歳の男を法定刑が7年以下の過失運転致死罪で起訴しました。しかし、この判断に納得ができないと遺族などが署名活動を行うなどした結果、法定刑が20年以下の危険運転致死罪に起訴内容が変更されました。
2024年11月から始まった大分地裁での裁判員裁判。最大の争点は「危険運転」と認められるかどうかでした。
一審では「ハンドルやブレーキ操作のわずかなミスによって事故を生じさせる危険性があった」「進行を制御することが困難な高速度である」などと危険運転致死罪を認め、被告に対し懲役8年の実刑判決が言い渡されました。その後、検察側は量刑が軽すぎるとして弁護側は判決を不服として双方が控訴しました。
2025年9月に福岡高裁で開かれた控訴審の初公判では検察側が「妨害目的」もあったと主張。一方で弁護側は危険運転にはあたらず過失運転と改めて主張しました。
22日に開かれた控訴審判決。福岡高裁の平塚浩司裁判長は「被告の運転が日常用語としての危険な運転であることは明白」としつつも、危険運転致死傷罪の成立要件である『進行を制御することが困難な高速度』については「同様の事案でも過失運転致死傷罪で処罰している裁判例が積み重ねられている」「法律の解釈が定着している現状では、立法的手当てによって対応すべき事柄と思料され、今回の被告人のみ特異な判断を維持することはできない」など指摘。
また「妨害目的」についても認めず一審の判決を破棄し、過失運転致死罪を適用。被告に対し懲役4年6ヵ月の判決を言い渡しました。判決を受けて遺族の長文恵さんは「想像していた中で一番最悪な判決」などと話し23日、最高裁への上告を福岡高検に求めるオンライン署名を開始しました。
長さんは「一審は国民の意見を取り入れた裁判員裁判だったはず。今の現行法でも危険運転致死罪が認められるとした判決をまさに机上の空論ではねつけたと思う。遺族感情だけではない、大丈夫か日本という気持ちでいっぱいなのでここは再び国民の意見を国に届けたい」と話しています。