ツイセキ、被害が相次いでいる特殊詐欺です。
最近、警察官など捜査機関をかたって現金をだまし取る手口が急増しています。
福山市に住む20代の女性が当時の状況を語ってくれました。

【警察官をかたる詐欺被害にあった20代の女性】
「喪失感。ぽっかり穴があいたような感じの感情で今いっぱいです」

福山市に住む会社員の女性。

先月、神奈川県警を名乗る人物などから現金300万円をだまし取られる詐欺被害にあいました。
事件の発端は1本の電話でした。
国際電話を示す「プラス1」から始まる番号。
電話に出ると相手は神奈川県警を名乗り、女性名義の口座を使った犯罪で犯人が捕まったというものでした。

【被害女性】
「私がまず疑われてるっていうことで、あなたの身の潔白を証明するには、まず本部が設置されている神奈川県警の方に来てもらうか、警視庁で対応をさせてもらうんですけど来れますかと。自分が何かしたのかなっていうのがまず一番。でも身に覚えがそんなに無いし、ちょっと不安な部分が大きかったです」

仕事があるため警察には行けないと断ると、男たちはビデオ通話で警察手帳のようなものや捜査に関する書類のようなものを見せた上で、逮捕されるなどと不安をあおってきました。

そして、女性の口座にある紙幣と犯人が持っている紙幣を照合する必要があるといい、現金を振り込むよう求めたといいます。

【被害女性】
「”何もなければその300万円も返します”ということを言われたので、そのまま私も支払いをしてしまったっていうのが現実です」

女性が消費生活センターに相談したところ、警察への通報を勧められ、被害に気付きました。
まだ若い20代。
こつこつと大切に貯めた300万円を1日のうちにだまし取られてしまいました。

【被害女性】
「自分にも起こると思ってなかったこと。大きいお金が動くときは”やっぱり何かある”ことをまず一番に考える。相談できる人がいればいいかなとは思う」

捜査機関を名乗りSNSや電話を使って逮捕されるなどと脅し、金をだまし取られる特殊詐欺の被害は社会問題化しています。

県内で発生した特殊詐欺の被害額は先月末までに22億円を超えていて、そのうち警察官など捜査機関をかたったものは15億円以上にものぼります。

今回悪用されたのは、LINEミーティングと呼ばれるSNSのビデオ通話機能です。
警察は、「捜査機関が電話で捜査情報などを話すことはないし、捜査でSNSを使うことはない」と注意を呼び掛けています。

テレビ新広島
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