年の瀬が迫り、大掃除の時期がやってきました。
清掃事業などを行うダスキンの調査によると、6割以上の人が今週末に大掃除を行う予定だそうです。
しかし、年末の掃除には思わぬ危険が潜んでいることをご存知でしょうか。
東京消防庁のホームページによると、掃除中の事故での救急搬送者数は過去5年で4000人を超えており、特に12月に多発していることが分かっています。
新しい年を無事に迎えるためにも、大掃除で気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。
■気をつけたい大掃除の危険ポイント
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、大掃除で特に注意したい2つのシーンを紹介しています。
1. 窓拭き掃除と脚立の危険性
窓拭き掃除をする際、小さな踏み台に乗って作業することは多いでしょう。しかし、そのまま身を乗り出して隣の窓も拭こうとすると、踏み台が倒れて落下する危険があります。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、踏み台などを使用する時に身を乗り出したり、つま先立ちをしたりするとバランスを崩して転倒・転落の恐れがあるとして、踏み台を移動させてから掃除するよう呼びかけています。
■意外と知らない脚立の正しい使い方
脚立の使い方にも正しい方法があります。よくある間違った使い方としては:
・一番上の天板に乗る
・脚立にまたがって座る・立つ
これらは非常に危険な使い方です。
では、どうすれば良いのでしょうか?
正しい使い方は、脚立の片側に立ち、体重を前(昇降面側)にかけることです。
これが最も安定する立ち方になります。後ろに体重をかけると危険ですが、前にある限りはひっくり返る心配が少なくなります。
一番上の天板には乗れないため、作業に必要な高さより余裕を持った大きさの脚立を選ぶことも重要です。
はしごを使う場合も同様の注意が必要ですが、壁に傷がついたり、ガラス面にはかけられないなどの制約もあるため、自立する脚立の方が使いやすい場面も多いでしょう。
■水回りの掃除と「まぜるな危険」
水回りの掃除でも危険は潜んでいます。
特に注意したいのが、異なる種類の洗剤を混ぜてしまうケースです。
例えば、キッチンのシンクを掃除する際、ぬめりを取るための塩素系スプレーを排水溝にかけて放置している間に、水あかをきれいにするための酸性のスプレーでシンクを掃除することがあるでしょう。
しかし、この2つの洗剤を一緒に流してしまうと、排水溝で混ざり、人体に有害な塩素ガスが発生してしまう恐れがあります。
家事代行サービスなどを運営する「ベアーズ」によると、対策としては「十分すぎるほどすすぐか、別日の使用がおすすめ」とのことです。ぬめりやカビの掃除と水あかの掃除は別の日に行うことで、安全に掃除ができます。
■年末の大掃除、安全に楽しく行いましょう
東京消防庁の統計によると、月別の掃除中の事故救急搬送数(2020年~2024年)は総数4,268人にのぼり、12月が618人と最も多くなっています。
年末の慌ただしさで気を急いでしまうことが事故の一因かもしれません。新年を気持ちよく迎えるための大掃除ですが、安全第一で行いましょう。
正しい道具の使い方と適切な洗剤の使用方法を守れば、事故のリスクを大幅に減らすことができます。
ことしの大掃除は、この記事で紹介したポイントに気をつけて、安全に行ってください。きれいなお部屋で新年を迎えるための大掃除、無理せず計画的に進めることが大切です。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年12月25日放送)