島根県松江市の中高一貫校では犬との触れ合いを通じて、子どもの心の成長やサポートにつなげる「スクールドッグ」が、2025年10月から常駐しています。

全国で初めての取り組みでほかの学校でも導入の検討が進んでいます。
「スクールドッグ」を迎えて2か月余りがたった学校の様子を取材しました。

大きな体で、尻尾をふりふり。
松江市の開星中学・高校の「スクールドッグ」レイくんです。
2025年10月に着任しました。

いつもの居場所は、入試広報企画センター。
お世話担当の教頭先生と一緒です。

生徒:
レイくん、かわいいね~。

休憩時間になると、生徒たちが次々と会いにきます。
レイくんは2歳のゴールデンレトリバーなどのミックスで、盲導犬になるためトレーニングを受けましたが、不向きと判定されてしまいました。

ただ、赤ちゃんの頃からたっぷり愛情を受けて育ち、人間のことが大好き。
ちょっぴり怖がりですが、穏やかな性格で生徒たちを癒やしています。

開星中学校・高校 田中薫教頭:
僕と離れるのが不安なので、まだなかなか僕と離れて生徒とふれあうということがなかなかできなくて。

レイくんの世話をするのは田中薫教頭。
「ハンドラー」動物介在教育支援士として自宅で一緒に暮らし、一緒に「通勤」しています。

スクールドッグは動物とのふれあいを通じて、子どもたちの思いやりや社会性・責任感などを育む「動物介在教育」と呼ばれる取り組みで、開星中学・高校は全国で初めてその「認定校」です。

この日、学校を訪れたのは広島市の安田女子中学・高校の上所奈美先生。
2026年4月からスクールドッグを導入する予定で、受け入れの準備を進めています。

安田女子中学・高校 上所奈美教頭:
レイくん、大きい。こんにちは。

上所先生の学校では昨年度、課外活動の一環で「動物介在活動」をテーマに講演会を開き、これをきっかけに「スクールドッグ」を迎えることになりました。

安田女子中学・高校 上所奈美教頭:
リードを持つのは田中先生ですか?

開星中学校・高校 田中薫教頭:
僕です。
この子が僕の奥さんを2回引きずっているので強いんですよね。
心配もあるのでその辺も見極めながら。

校内でレイくんはハンドラーの田中先生と常に一緒に行動していますが、安田女子ではスクールドッグの世話を生徒たちが担当します。
上所先生は安全面など気になる点を一つ一つ確認していきました。
この日、外は雨。日課の散歩は校舎の周りをぐるっと一回りしました。

開星中学校・高校 田中薫教頭:
(ふだんは)ぐるっと上に上がったりして帰るんですけど、きょうはもう雨なので。

校舎に戻ると、昼休み。
生徒たちとの触れ合いタイムです。

生徒:
レイ君、かわいい~!!

安田女子中学・高校 上所奈美教頭:
校内で生徒とどうやってふれあうかっていいうことが、あまりイメージできていなかったので、きょう来て、先生が普通に連れて歩いているところに生徒が寄ってくるとか、いろんなヒントをもらえたかと思います。

レイくんを迎えて2か月余り。学校に何か変化はあったのでしょうか?

開星中学校・高校 田中薫教頭:
レイに会いに来てくれる子もいますし、ちょっと学校に来にくいかなっていう子も登校してくれた日に、必ずレイに会ってから帰ってくれることもあったので、レイが来てくれたことで学校がちょっとだけ変わったかなと思います。

校内の雰囲気も生徒たちの表情も少し穏やかになったようだと田中先生は感じています。

開星中学校・高校 田中薫教頭:
この子がうちの学校で幸せになるようにってやっているので、のんびりしてくれているかなと思います。

スクールドッグがいることで学校に生まれるやさしい空気。
人では作り出せないほっとする居場所をレイくんが作ってくれています。

TSKさんいん中央テレビ
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