アメリカ・ニューヨーク市の市長選挙で勝利した民主党のゾーラン・マムダニ氏(34)。
イスラム教徒として初めてのニューヨーク市長誕生となりましたが、トランプ大統領との対立が激化している状況です。
ニューヨーク市次期市長 マムダニ氏:
おはようニューヨーク。きのうの夜、我々は歴史をつくった。世界で最も偉大な都市の次期市長として、きょうここに立っていることを誇りに思う。
ニューヨークの新たなリーダーに選ばれたマムダニ氏。
アフリカのウガンダでインド系の家庭に生まれ、7歳の時に一家とともにアメリカに移住して帰化したイスラム教徒という経歴の持ち主です。
2020年、29歳の時にニューヨーク州議会議員選挙に民主党から出馬して初当選しました。
以来、2022年、2024年と再選しています。
さらに、過去には「Mr.Cardamon」などといった名前でラッパーとして活動していたこともあります。
その中で、「民主社会主義者」を自称し、若い有権者の間で絶大な人気を誇るマムダニ氏。
公約に掲げているのが「億万長者との戦い」です。
全世界でも、物価高がとりわけ激しいニューヨークの物価を引き下げて、生活を楽にすると訴えてきました。
マムダニ氏の支持者は「市民が手頃な物価を求めている中で、その声を真剣に聞いていたと思う」と話します。
「家賃の値上げ凍結」や「市営バスの無料化」、「公営スーパーを設置して低価格販売を促進する」など、生活費軽減を焦点に当てた公約を挙げてきました。
こうした政策を実現するために、大企業や富裕層への増税を打ち出しました。
ただ、新たなリーダーの誕生に黙っていないのが、対立する共和党のトランプ大統領です。
選挙中から“反トランプ”の象徴的な存在となったマムダニ氏を敵視し、批判を繰り返してきました。
トランプ大統領(2025年7月):
(マムダニ氏は)最高レベルの共産主義者で、ニューヨークを破壊しようとしている。
そしてマムダニ氏の当選後も、地元フロリダでの演説で、改めて「共産主義者」と呼び警戒感をあらわに。
トランプ大統領(5日):
私が大統領でいる限り、アメリカの共産主義化はありえない。必ず阻止する。
さらに、「まもなくマイアミがニューヨークの共産主義から逃れる人々の避難場所になるだろう」と述べて、マムダニ氏をけん制しました。
対するマムダニ氏も、トランプ大統領を激しく攻撃しています。
ニューヨーク市次期市長 マムダニ氏:
国民の期待を裏切ったトランプを倒せるのは、彼を生んだニューヨークだけだ。トランプのような億万長者が税金を逃れ、減税を悪用してきた腐敗の文化に終止符を打つ!
マムダニ氏がニューヨーク市長に就任するのは2026年1月です。
そして、2026年11月にはトランプ大統領の評価が問われる中間選挙を控えています。
トランプ大統領の“共産主義批判”が争点にするための布石との見方もある中、今後、大統領とニューヨーク市長との対立はますます激化していきそうです。