安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判はきょう=6日、6日目の審理が開かれています。

法廷では、山上被告が事件で使った”手製の銃”について、警察が発射実験を行った際の動画が流されました。

山上被告は安倍元総理の殺害については認めていて、山上被告が製造した“手製の銃”が法律上の“拳銃”や“砲”に当たるかが争点になっています。

■“手製の銃”6丁全て実際に発射・弾の作り方は山上被告の説明受ける

きょう=6日は、事件で使われた山上被告の“手製の銃”を鑑定した奈良県警の科学捜査研究所の職員の証人尋問が行われ、職員は実際に“銃”が発射できるか確認した実験について説明しました。

職員は、山上被告の自宅から押収された6丁の“手製の銃”がいずれも実際に発射できたことや弾の作り方について山上被告から説明を受けて作成したことなどを話しました。

■“手製の銃”発射実験の動画が法廷で

そして事件で使われた“手製の銃”の発射実験の動画が法廷で流されました。

職員の説明によると、この実験は、“銃”の速度や威力を確認するためのもので、銃口から4メートルの位置に厚さ4ミリのベニヤ板を4枚並べ、安全のために遠隔操作で実際に“銃”を発射しました。

4ミリのベニヤ板2枚を貫通すると、「殺傷能力がある」という研究結果があるということです。

法廷で流れた動画では、「ドン」という音が流れ、白煙が舞った後、ベニヤ板に6つの弾丸すべてが当たって、穴が開いている様子が映っていました。

山上被告はこの間、静かに手元のモニターを見つめていました。

■争点の1つ “手製の拳銃”が法律上の“銃”や“砲”に当てはまるか

これまでの裁判で山上被告は「全て事実です。間違いありません」と述べ、殺人罪については起訴内容を認めています。

一方で、山上被告が製造した“手製の拳銃”が法律上の“銃”や“砲”に当てはまるかどうかが争点となっています。

法律などから「拳銃」とは「肩付けせず、片手で保持して照準を合わせ、弾丸を発射できる銃」などと規定されています。

検察側は山上被告が製造した「鉄パイプ3本を使った銃」が拳銃に当たると主張し、弁護側は「片手で保持して照準を合わせられない」として拳銃に当たらないと主張しています。

また事件で使われた「鉄パイプ2本でできた手製銃」を含めた5丁については、「口径が20ミリ以上」と定められている「砲」に当たると検察側は主張する一方、弁護側は「『砲』と呼ぶに値する強力な殺傷能力が必要」として、「砲には当たらない」と主張しています。

関西テレビ
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