静岡県牧之原市などに甚大な被害をもたらした竜巻から11月5日で2カ月。少しずつ復興に向けた歩みが進む中、被災者は今後の生活への不安を募らせていました。

斎藤力公 記者:
発災から今日で2カ月、冷たい空気が漂う細江地区ですが竜巻の爪痕は色濃く残っていて復旧復興も道半ばの状態です

9月5日台風15号に伴い発生した国内最大級の竜巻。男性1人が死亡したほか牧之原市と吉田町では1700棟を超える住宅に被害が及びました。

松下和馬さん:(9月5日)
本当に明日からどうしようかと

特に被害が大きかった牧之原市細江に住む松下和馬さん。屋根が吹き飛び窓のほとんどがなくなってしまいました。

あの日から2カ月。松下さんは被災した自宅から車で10分ほどの距離にあるアパートを借り妻と2人で生活を送っています。

松下和馬さん:
アパートを借りて大事なもの運んで、すぐ仕事が始まり部屋の片付けが追いつかなくて、被災して1ヶ月ぐらいしてから家でようやくご飯が食べられるようになった

発災から3日後に契約したアパートはみなし仮設として認定されたため家賃は補助金で賄っています。

松下和馬さん:
ここは家の荷物置き場。カビが生えてしまうのでエアコンは常時入れっぱなし。(Q.24時間?)借りた日から一回もエアコンは切っていない

雨で濡れた荷物。細かいガラス片はとり切れていませんが、そのまま保管するしかありません。

全壊と判定された自宅は二次災害を恐れて公費での解体を待たずに取り壊しました。

かかった費用は200万円。行政から補助金として返還される予定ですが、その見通しは立っておらず貯金を切り崩して対応せざるを得ないといいます。

松下和馬さん:
風災で保険も多少は入っていたので、プラスアルファ出せるかわからないが、心機一転と思っている

平賀悦子さんの自宅は「大規模半壊」と認定されました。

先週まではブルーシートなどで補修した自宅で生活していましたが、息子たちを頼って引っ越しを済ませました。

家財道具の運び出しはほとんど終わり公費による解体の順番を待っています。

平賀悦子さん:
(解体を)個人で頼むと高くなるようで市のほうで(業者を安く)選べるということなので。早くしてくれないと土地は借りているので住んでいなくても地代がかかる

解体を終え土地を明け渡すまではかかる借地料。

災害見舞金は交付されましたが、生活再建のための支援金の振り込みにはまだ時間がかかるため不安は募ります。

平賀悦子さん:
もう2か月というのも、まだ2か月というのもある。新居に荷物を運んだが、まだ収納しきれていない。片付けができていないのでまだ落ち着かない

発災から2カ月復旧・復興に向け少しずつ歩みを進めていますが、これまで通りの生活を取り戻すにはまだ時間がかかりそうです。

テレビ静岡
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