熊本地震で被災し今年9月に再建のための解体が終わった熊本城宇土櫓についてこれまでの歩みをたどった企画展示が始まりました。建物の一部をなしていた瓦や棟札などの実物も展示されています。
企画展示は大天守1階で5日から行われ、報道陣に公開されました。
宇土櫓の石垣や櫓の修理の歴史や熊本地震での被害、さらに地震後の工事で確認された江戸時代の格子窓の痕跡などが写真付きのパネルで説明されています。
【郡司 琢哉 アナウンサー】
「企画展では今回の解体で出た実物も展示されています。こちらは昭和2年の工事で載せられた棟札で、当時の第六師団長や熊本県知事の名前が書かれています」
このほか、加藤家の桔梗と細川家の九曜、それぞれの家紋をあしらった瓦や、建物の中から鉄砲を打つための小窓『狭間(さま)』なども展示してあります。
【熊本城調査研究センター 木下 泰葉さん】
「今回解体が無事に完了して展示する棟札とか建築部材の一部を初めて見ていただく機会。いろんなものを展示していますので間近でぜひご覧いただきたい」
宇土櫓の変遷に触れることができるこの企画展示は来年3月までです。
また、宇土櫓は2028年度に復旧工事が始まり、再建完了は2032年度の予定です。