止まらない各地でのクマ出没。
宮城県では、民家の庭先にある木の上で柿を食べるクマの姿が目撃されました。
また、秋田県では美術館の敷地内をクマがのそのそと歩いていました。
さらに、富山市では交通量が多い国道沿いにあるやぶの中でクマを発見。
現場に緊張が走る中、銃声が響きました。
記者:
今、銃声が聞こえました。2発目です。あ、3発目です。
やぶの中のプレハブ小屋のそばにいたクマ1頭が駆除されました。
通行人:
びっくり。何してるのかと…。怖いですね。こんなとこにクマが出たら…。
クマ災害が猛威を振るう中、5日午後に自衛隊が秋田・鹿角市で支援活動を開始しました。
5日、自衛隊が出動した秋田・鹿角市。
9年前には、山林でタケノコ採りにやってきた男女4人が次々とクマに襲われる連続殺害事件が起き、世間を震撼させました。
その凶暴グマは、鹿角市のイニシャルから“スーパーK”と名付けられたのです。
番組は、クマ対策に自衛隊が出動した鹿角市内を緊急取材しました。
ある洋服店では、自動ドアを手動に切り替えてクマの侵入を防いでいました。
洋服店の店主:
取っ手を変えて自動で開かないよう早めからやりました。(家族も)夜8時に出掛けていたが、それも中止にしている。本当に(クマが)隣まで来ている感覚。
焼き物店で働く女性は、仕事の行き帰りでクマに襲われるのではないかと恐怖を感じていました。
焼き物店で働く女性:
クマが出たところを通るのは怖いから、自転車のベルを鳴らしながら来る。ヘルメットをしてやっています。
一方、秋田・男鹿市のスーパーで人気商品になっていたのはクマ対策グッズです。
クマ撃退スプレーはすでに完売。
この店では、クマ対策グッズが2024年の約8倍の売れ行きとなっていました。
買い物客からは「前に(店に)来た時はいっぱい(グッズが)あったがなくなった。怖い。よろいを着て歩かないといけない。ラジオを最高にボリュームを上げて体につけている」「やらないより、やった方がいい。このタイプ(火薬銃)は使いやすい。すぐパンパンパンと使える。(残り)1個しかなかったから、最後なのでキープする」といった声が聞かれました。
住民に不安が広がる中、5日に異例となるクマ捕獲の支援活動に出動した自衛隊。
自衛隊は過去にも武器を使って害獣を駆除した経験があります。
それは、“海のギャング”と呼ばれるトドです。
1960年ごろ、北海道の新冠町では沿岸に押し寄せるトドの被害に悩まされていました。
そこで、地元から要請を受けた自衛隊は訓練という名目で機関砲を使用し、トドの駆除にあたりました。
ただ、今回派遣された約15人の隊員はトラックに積まれた箱わなを運搬するなど、捕獲に向けての後方支援にあたる予定です。