新富町の航空自衛隊新田原基地で、最新鋭ステルス戦闘機F−35Bの訓練が4日から始まりました。
防衛省の方針転換により、地元からの反発もありましたが、防衛力強化や隊員の安全のためには「やむを得ない」との意見もありました。

(早瀬純哉記者)
「午後2時半、F−35Bが東側の空に向けて離陸しました。ごーっという圧の強い音が響きます」

新田原基地では4日からF−35Bの操縦資格の取得や技量維持のための訓練が始まりました。

F−35Bは今年8月、自衛隊基地として初めて新田原基地に配属され、現在は5機が配備されています。

4日は1機のみが滑走路に入り、短距離離陸と通常の離陸、スローランディング(短距離着陸)が行われ、特に騒音が激しい垂直着陸は行われませんでした。

防衛省は今年、新田原基地では緊急時などに限って行うとしていたF−35Bの垂直着陸を、夜間も含め通常時も行うと方針転換。
地元からは反発の声も出ていて、10月防衛省は最大月平均およそ100回行うとしていた基地での垂直着陸訓練について、月およそ80回に減らし、うち夜間もおよそ40回からおよそ20回に抑えるなどとする軽減策を示していました。

町の区長会の河野國夫会長は、国に対して「町民への信頼を重視してほしい」と訴えています。

(新富町区長会 河野國夫会長)
「去年の受け入れの時からの約束を反故にした。約束を覆すようなことがあったら、防衛省、基地との信頼関係が無くなる。防衛が必要ということは町民はみんな分かっているが、これ以上負担かけられたら困るというのが本音」

今後求めていくのは、町民のさらなる負担軽減です。

(新富町区長会 河野國夫会長)
「防音区域の今まで以上の拡大。(垂直着陸訓練の)受け入れはやむなしとしても、いろんな住民負担を削減していくということ」

自衛隊員の家族で作る団体の関係者は…。

(新富町自衛隊家族会 大西英二会長)
「いろんな町民の意向もあるだろうけども、やむを得ないものがある。すべてが命に関わる。そのために(安全のために)は訓練は必要。家族会の会長としても、町民の皆さんに頭を下げてでも練習させてやってと言いたい」

防衛省によりますと、訓練では操縦資格取得のため、操縦者1人あたり2日〜6日の間、昼に3回、夜間に2回、垂直着陸訓練を行うということです。

F-35Bの訓練開始を受けて、11月4日、小泉進次郎防衛大臣は次のように述べました。

(小泉進次郎 防衛相)
「わが国が戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中において、訓練開始は、F-35Bの早期戦力化に大きく貢献するものであり、日本の安全保障上非常に重要な意義があると考えています。できる限り早期にF-35Bの配備も踏まえた騒音対策を実施するため、今年度から9年度にかけて騒音調査を実施する予定であり、地元自治体のご意見も伺いつつ丁寧に対応してまいります」

テレビ宮崎
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