今回の訓練について、小泉大臣の発言にも出てきた「厳しい安全保障環境」「F−35Bの戦力化」というのは、それぞれどういうことなのか?
防衛問題を専門に取材している、フジテレビの特別解説委員 能勢伸之さんに聞きました。
厳しい安全保障環境について能勢さんは北朝鮮、中国、ロシアは、例えばそれぞれ極超音速ミサイルの開発、配備を進めていて、軍事力を強めていると説明。
こうしたミサイルはマッハ5以上の極超音速で軌道を変えながら飛ぶため、予測も難しく、日本にとっては迎撃が難しいといいます。
更に10月10日に公表された、今年4月から9月の緊急発進回数は265回。
去年より数は減っているものの、尖閣諸島周辺での中国のヘリコプターの領空侵犯やロシアの爆撃機などによる日本海の飛行など活発な活動が確認されています。
続いてはF−35Bの戦力化についてです。新田原基地で訓練が行われるF−35Bの特徴を見ていきます。
F−35Bは、このように空中でピタッと停まることができ、エンジンの噴射口の向きをほぼ真下に向け、胴体の真ん中にある巨大なファンを回して垂直に着陸します。
敵に攻撃されるなどして滑走路の大部分を失っても、離着陸できることが特徴と言えます。
F−35Bはステルス機ゆえに、搭載している特殊なデータリンクシステムを使いこなし、噴射の向きを変えるなど、操縦はかなり複雑になると見られます。
能勢さんは「パイロットが乗りこなせるようにしないとどうしようもない」と話し、パイロットが機体の能力を生かすだけでなく部隊としても機能するようにする必要があると話していました。