文化の日の3日、文化勲章の親授式が行われ、元プロ野球選手の王貞治さんら8人が受章しました。
王さんは、アメリカ・メジャーリーグで活躍するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手や山本由伸投手らの名前を挙げ、日本野球への熱い思いを語りました。
元プロ野球選手・王貞治さん:
いまアメリカで大谷くんとか山本、佐々木とかそういう連中がものすごく活躍して、ものすごく野球がいま追い風だと思うんです。やっぱり野球をもう一度日本のトップスポーツにするべく、みんなで力を合わせてがんばっていただきたい。
皇居・宮殿、松の間で行われた親授式。
天皇陛下は、受章者一人一人に「おめでとうございます」と声をかけられ、タチバナの花に3つの勾玉(まがたま)をあしらった勲章が手渡されました。
文化勲章を受章したのは王貞治さんや、2025年、ノーベル化学賞に決まった北川進さん、歌舞伎俳優の片岡仁左衛門さん、ファッションデザイナーのコシノジュンコさんなど8人です。
陛下は、受章者や配偶者に「長年努力を重ね、大きな業績を収め、文化の向上に尽くされてきたことを誠に喜ばしく思います」とお祝いの言葉を述べられました。
その後、受章者は勲章を着け、秋晴れのもと宮殿の前で記念撮影に臨みました。
記者会見で王さんは、2日行われたメジャーリーグのワールドシリーズ第7戦について聞かれると、「見てました。大谷くんが3ラン打たれてガッカリしているところも見ましたし、8回9回1本ずつホームラン打って。相手にとっては一番嫌なんですよね。やっぱりアメリカでも“いい試合だった”と言われていますけど、我々日本人にとってもすばらしい試合だった」と即答。
第7戦に二刀流で先発し、スリーランホームランを打たれ先制点を許した大谷翔平選手の様子を語ると、日米の野球のレベルの推移についても「私たちがやっている頃は、アメリカのチームが来てくれて戦ってくれましたけど、これはもう親善試合だったんですね。もうレベル的に違いがありまして。段々段々アメリカの野球から学ぶことがあって、少しずつ力が、差が近づいていったと思う。今やアメリカの選手たちが真剣勝負しても日本にちょっと勝てないんじゃないかっていうのは、そういう日本の強さ、すごさっていうのを出せているというのは、本当に同じスポーツをやっている私にとって、こんなにうれしいことはない。こういうことは、これから野球をやる子どもたちにとってもすごいやる気になる材料だと思う。これからも、より大きなスターに誕生してほしいです」と語りました。
また、2025年の秋の叙勲の受章者が発表され、「ドラゴンクエスト」の生みの親として知られるゲームデザイナーの堀井雄二さんらが選ばれました。
旭日小綬章 ゲームデザイナー・堀井雄二さん:
僕自身、漫画家志望だったんですよ。ゲームのシステムを使って物語を描いたらきっと楽しいだろうなと。人生を体験するようなゲームをつくったら絶対に子どもたち喜ぶだろうなと思って、完全に子供向けにつくりました。
堀井さんは子供に向けてゲームを作る際、大切にしたことがあるといいます。
旭日小綬章 ゲームデザイナー・堀井雄二さん:
死んでもゲームオーバーじゃないんです。死んでしまうと王様のところに戻って、経験値は落ちないんです。経験値を残したまま生き返るということにしたんです。“失敗は経験である”。
2025年の秋の叙勲は、他に「マジンガーZ」や「デビルマン」などが代表作の漫画家・永井豪さんなど、各界で功労のあった合わせて3963人が受章することになりました。