クリスマスツリーの点灯式が各地で行われるなど、年の瀬が迫る季節。
楽しみな気持ちも高まる一方で、長引く物価高が家計を直撃しそうです。

「イット!」が取材に訪れたのは、東京・豊島区にある洋菓子店。
すでにクリスマスケーキの予約が始まっていました。

ふわふわのスポンジケーキに甘い生クリームとイチゴなどを盛り付けて完成したクリスマスケーキ。
しかし今、材料の価格が高騰し、値上げに追い込まれています。

PATISSERIE Yoshinori Asami・浅見欣則代表取締役:
卵が、去年10月ぐらいが(10kg)3200円台だったが、今は4300円台の価格になっている。

10月の東京23区の消費者物価指数では、ケーキに使用する牛乳やバター、卵などが上昇しています。
さらに、特に上昇幅が大きい食材がありました。

浅見欣則代表取締役:
これからの時期、クリスマスやバレンタインに向けて寒い時期になってくると、チョコレートの商品はすごく人気がある。

チョコレートは、前の年の同じ月と比べて36.6%も上昇。
そのため、この店では苦渋の決断をしたといいます。

浅見欣則代表取締役:
チョコレートを使ったクリスマスケーキは500円くらい値上げさせていただいて。皆さんが大好きなスポンジと生クリームとイチゴのショートケーキのクリスマスケーキは100円から200円ぐらいの値段(の値上げ)で抑えさせていただこうと考えている。

長引く物価高騰に、店に訪れた人たちからは「クリスマスケーキの予約に来た。少しずつ物価が上がっていくので、早めに買えるときに買っちゃう。おいしいものは楽しみたいという気持ちは変わらない」「消費する方もですけど、作る方もギリギリで出してると思うと仕方がないところもあるとは思うけど、好きなものを気持ちよく買えないのはつらい。年末年始もお金もいっぱい出るときなので、クリスマスに豪勢にというのは難しいかも」といった声が聞かれました。

また、物価高は年末だけではなく、お正月のおせち料理にも影響しそうです。

消費者物価ではタコやイクラ、かまぼこや昆布などの、おせち料理に必須の食材も上昇しています。

さらに、お正月に欠かせない餅も上昇しているのです。

年末年始の買い出しなどで多くの人が訪れる、東京・上野のアメ横。
店からは「去年よりは1割くらい高くなってます。(Q.影響は?)あります。数も限りがあるのでなかなか厳しい。でもなるべく安く、おいしく食べてもらいたい」など、不安の声が上がっていました。

物価高騰の影響は、年末年始にも及びそうです。