2022年、北海道北広島市の共同住宅に火をつけ男女2人を殺害した罪に問われた男の裁判員裁判で無罪判決が言い渡された。
住所不定・無職の荻野正美被告は2022年9月、北広島市の生活困窮者向け共同住宅に火をつけ71歳の男性と51歳の女性あわせて2人を殺害した現住建造物等放火と殺人の罪に問われている。
これまでの裁判では荻野被告の責任能力の有無が争点となっていて、検察側は「意識障害の影響は限定的で、意思決定の自由は残っていた」として懲役30年を求刑していた。
9月17日の判決で札幌地裁の井戸俊一裁判長は「異常な幻覚、妄想の圧倒的な影響のもと犯行に突き進んでしまったと認められる。完全責任能力を有していたとは認められない」などとして、荻野被告に無罪判決を言い渡した。
判決を言い渡された直後、荻野被告は「おかしい、2人の命を奪っているんですよ」と涙ながらに話した。
